北海道新聞エコ大賞

第7回北海道新聞エコ大賞受賞者決定!

9件の環境保全アクションに拍手!
北海道らしく地域に根ざしたテーマで環境保護を実践している活動を表彰する「第7回北海道新聞エコ大賞」。
2月28日に行われた審査の結果、3部門計36件の応募の中から、大賞2件、奨励賞7件が選ばれました。私たちの地球がある限り、エコアクションに終わりはありません。みなさんの「継続の力」に拍手!

<2016年度北海道新聞エコ大賞 審査委員会>

●審査委員長 / 小林 三樹 氏(公益財団法人北海道環境財団 理事長)
●審査委員 / 大原 昌宏 氏(北海道大学総合博物館 教授)
菅井 貴子 氏(フリーキャスター・気象予報士)
ビアンカ・フュルスト氏(環境カウンセラー・札幌環境保全アドバイザー)
寺澤 純(北海道新聞社 取締役 経営企画局長)
企業・団体の部家族・サークルの部小・中学校の部
企業・団体の部
大賞

十勝が誇る農業の価値、農業を持続できる環境の大切さを知ってもらうため、北王農林では地元の親子を対象に、畑で野菜を収穫し、間伐材を使って調理する農業体験教室を実施しています。一方グループ会社の北王ホールディングスではビニールハウスの太陽熱を利用した冬季農作物栽培を研究中。冬季の農作業が増え、雇用増にもつながりました。事業を続けることで環境を守る、それが企業としてのミッション。人と農業をつなぐ努力は今後も続きます。

【審査評】
農業は太陽光を原動力にして全生物を支える循環システム。その魅力と面白さを広く知ってもらう活動、寒さが厳しい冬の十勝でも工夫次第で野菜が育つことの実証努力が評価された。

奨励賞(各10万円)

内池・川田・住まいのウチイケ・宇佐美
武揚開発特別共同企業体(室蘭市)
「武揚の杜」エネファームタウン

水素を燃料とする家庭用燃料電池を導入した道内初の宅地開発事業を推進。官民協働で市民の認知拡大に努めました。その成果は販売実績に表れており、「人もエネルギーも循環する街づくり」は着実に形になりつつあります。

【審査評】
地元産業から水素が副生する地の利を生かし、給電と熱供給を水素によって行う本団地は、低炭素社会の実現を目指す先進的なモデル住宅で、住民にも快適なはずだ。

札幌市立北翔養護学校(札幌市)
[子どもの健康を守るガス削減プロジェクト]

子どもたちが快適に過ごせる校内環境と環境負荷の低減を目指し、夏の早朝の冷気を取り込む窓開放作戦、床暖設備に水を流す“床冷”、ボイラーの間引き運転などを実践。3年間でガス使用金額を約978万円も節約できました。

【審査評】
夏は朝早くに窓を開けて熱気を追い出す、冬は人手で除ける雪はあらかじめ除くなど、冷房や路面融氷の消費エネルギーを賢く節約している。優れた着想と実行力に賛辞。参考になる工夫だ。

特定非営利活動法人 札幌福祉生活支援センター(札幌市)
[フードバンク札幌]

規格外や売れ残りなどの食品を企業や個人から寄贈してもらい、福祉施設などを通じて配布。2015年度は延べ2万9千人に提供できました。これからも「もったいないの心」を大切に、地域セーフティネットの構築を目指します。

【審査評】
何ら品傷みもないのに、大量の食品が流通過程での行違いや需給の見込み違いで無駄になっている。必要としている方々につなぐことによって、全てが生かされる。旭川でも同様な活動が始まっている。全道に広がってほしい。

家族・サークルの部
奨励賞(各3万円)

杉本 亘之さん(滝川市)
[廃棄物から作る堆肥で家庭菜園]

家庭の生ごみから農産廃棄物、道路脇の雑草、新聞古紙まで堆肥化し、150坪の家庭菜園で60種以上の農作物を栽培。ごみ削減と景観整備に加えて畑仕事と無農薬野菜で健康も維持でき、良いことずくめの杉本さんです。

【審査評】
堆肥化を進める微生物には、窒素源である生ごみとし尿と、炭素源としての繊維質の栄養バランスが大切。健全な土でおいしい作物を楽しんでほしい。

小・中学校の部
大賞

都市部の生息数が激減している日本の国蝶「オオムラサキ」。旭山記念公園の保護活動を知った髙橋溫史(はるじ)くんは友達を集めて調査隊を結成。自然観察会を開いたり、『旭山新聞』を作って学校や町内会の回覧板で多くの人に活動を紹介しました。髙橋くんから読者のみなさんにお願いです。「みぢかな公園にオオムラサキがいること、まもっている人たちがいることを知ってください。できればまもりたいという気持ちで旭山記念公園に遊びにきてください」。

【審査評】
生き物大好きのお友達と観察したことを壁新聞で皆に知らせていて素晴らしいです。オオムラサキが生き続けられる環境つながりを大切に守ってください。

奨励賞(各3万円 図書カード)

江別市立中央中学校 科学部(江別市)
[身近な水にまつわるエコ]

江別市の生活排水から作られた再生肥料で野菜を育てる「あぐりプロジェクト」と、学校生活における節水を呼びかける「節水プロジェクト」を実施。水の恵みを肌で学んだ経験は、水の使い方を見直す契機となったようです。

【審査評】
生活に上可欠な水の来歴、そして使った後の行き先について知ることは、生活環境を守り健康に生きる基本。有機質の少ない火山灰台地の土壌改良に努め、循環農法によるおいしい作物を実感しておられ頼もしいです。

札幌市立緑丘小学校(札幌市)
[地球に優しくする取組]

エネルギー環境教育モデル校として独自の環境教育カリキュラムを作成。エネルギーの見える化や資源回収、発電実験教室、リサイクルチョークなどの意欲的な取り組みは「さっぽろ子ども環境コンテスト」でも高く評価されています。

【審査評】
これから大人になる自分たちの環境のために出来ることは何かを探し出し、全校を挙げて取り組んでおられるのが見事です。明るい世界を築きましょう。

札幌市立発寒東小学校(札幌市)
[エコプロ6-1]

廃食油の再利用を推進する6年1組のエコプロジェクト。手作りチラシの配布や廃食油を使ったキャンドル作りなどを通してエコの実践を呼びかけています。活動を通して生まれた地域の人々との交流も貴重な成果です。

【審査評】
お友達6人で廃食油を集めてろうそくをともし、冬場の大通で道行く人々に廃油発電によるイルミネーションの認知度を意識調査するなど、末頼もしい活動です。

エコエピソード大賞

テーマは「MOTTAINAI」。
長く使い続けている愛用品にまつわる心温まるエピソードが寄せられました。

我が家では、色々なエコをしていますが、一番の思い入れがあるエコといえば、圧力鍋を使って家族皆で作る「みそ作り」です。
圧力鍋は、結婚して直ぐに買ったものです。その年からみそ作りをしています。何年か使い続けているとパッキンがだめになり、ふき出してしまったり、鍋が黒ずんだりしました。主人には、新しいのを買ったらと言われましたが、その度にパッキンを交換したり、鍋をみがいたりして大事に使っています。
ここ何年かは、年末行事となり、一年分のみそを家族で作っています。みそは手作りすると安くてとても美味しいですし、家族皆で何かをする事が少なくなってきたこの頃、このみそ作りは、家族が唯一一緒に出来る事、このままもう少し続けていきたいものです。圧力鍋さんにももう少し頑張ってもらいたいと思います。

審査委員長選表

小林三樹審査委員長

今年のエコ大賞には、エピソード大賞51点を含めて87点ものご応募をいただきました。さまざまな取り組みをなさっておられる方々の熱心なご努力の集積によって、北海道の環境が守られていることを実感しました。応募締め切りから長い日数をお待たせしましたが、審査委員全員が全ての応募資料を読ませていただき論議をいたしました。多くの道民が、受賞作品からヒントを得て更なる行動につなげてほしいです。惜しくも選に漏れた方々も、環境に良かれと信ずる活動をお続けなさってください。