1時限目

相続の時間

講師:本田 華織さん
(一般社団法人 相続手続支援センター札幌
 ファイナンシャルプランナー/相続診断士)


前回、参加者の皆さんに好評だった「相続の時間」。今回も相続のトラブルを未然に防ぐためのポイントを、本田さんに教えていただきました。

相続手続支援センターでは、相続に関する様々な相談を受ける事があるそうですが、相続対策の優先順位は(1)争族・争続対策(2)納税資金対策(3)相続税対策で、まずは親族同士で争わない・争わせないことが重要になります。そして争族対策に効果的なのは、「遺言」「贈与」「生命保険」という3つの生前対策であり、今回は「遺言」について、作成の要点をわかりやすく解説してくださいました。

「具体的に『自分の場合はどうだろう』と考えて、一つ行動を起こしてみてほしい」と本田さん。質疑応答では、相続問題を真剣に考えているからこその質問が多く、本田さんが思わず「いいご質問ですね」と返す場面もありました。改めて参加者の皆さんが相続問題に高い関心を寄せていることを感じられました。

2時限目

音楽の時間

講師:大森 潤子さん
(札幌交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者)


講演はエルガーの「愛の挨拶」の優雅な演奏からスタート。その後、大森さんの歩みをもとに、コンサートホールへ足を運びたくなるようなお話をたっぷりと聞かせていただきました。

大森さんは大学院在学中、難関試験に合格してパリに留学。教会や中流階級家庭でのサロン(居間)コンサートなど、日本では経験できないような場面に出会ったり、生活の中でも日本と外国との違いを身をもって体験されました。帰国後はその経験を活かし、財団法人地域創造でアウトリーチ(芸術文化に触れる機会の少ない人々のところへ芸術家が出向いて芸術活動を行うこと)を中心とした活動を展開。その後、前事務局長からの誘いを受けて札幌交響楽団にて首席奏者を務めることになったそうです。

札幌交響楽団に入団する決断を後押ししたのは、同楽団が本拠を置くコンサートホールKitaraで演奏したことのある外国の友人が「日本で一番素晴らしいホールだよ」と語ってくれたことを覚えていたからで、世界的にも評価の高いホールであることを教えてくださいました。

最後に大森さんは「札幌の皆さんは文化的レベルのかなり高い方が多いと思います。心が豊かになる時間を送るための選択肢の一つとして、音楽会に足を運ぶことを考えていただければ」と呼びかけました。

参加者の感想

「相続の時間」について
  • 夫婦とも高齢世代に入ってきたので、準備だけはしておく必要があると思った
  • 他人がいない家族で心配ないと思っていたが、遺言などは必要なものなのだと思った
  • ポイントをついて、上手な話で面白く記憶に残った
「音楽の時間」について
  • ヴァイオリンを近くで聞いたのが初めてで美しい音色に引き込まれた
  • 演奏家の音楽にかける意気込みを感じた
  • 大森さんの人生を楽しく聞くことができ、何事も努力しなければと思った

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1時限目

住まいの時間

講師:本田 華織さん
(一般社団法人 相続手続支援センター札幌
ファイナンシャルプランナー/相続診断士)


今回の講演では本田さんが経験された具体的な事例や、実際の裁判例をもとに解説されました。

一つ目の事例は実際の裁判例の読み解きです。離婚経験のある方は特に注意という内容でした。以前は、亡くなった人の預貯金等の残高証明書や取引履歴を取得する際には、相続人全員の同意が必要でしたが現在は相続人一人でも請求できるようになったそうです。その裁判例をイラスト等を用いてわかりやすく解説してくれました。

さらに、不動産などを生命保険に変えて遺産として残すメリットとデメリットについても説明していただきました。「お金の遺言」と言われる生命保険にも落とし穴はあるようで、本田さんは「生命保険はメリットが多いけど、財産全体に占める保険金の割合を考慮したうえで、保険を組み立てなくてはいけません」と注意を促しました。

また、遺言を作成するうえで注意しなくてはならないポイントの一つである遺言執行者については、「遺言執行者は個人の方ではなく、会社組織である法人執行者に頼むのがおすすめです」とアドバイス。その理由を聞いた皆さんからは納得した様子がうかがえました。
 「相続について何をどうしたらいいかわからないと悩み、結局問題を先送りしてしまう方も多いと思いますが、まずは思い込みや決めつけを捨てて、早めに専門家に相談することが解決への第一歩になることは間違いありません」と本田さん。迷うよりもまず行動を起こすことが大事であることを学ぶことができました。

塗り絵の時間

講師:昆野 照美さん
(色彩学校認定 色彩心理インストラクター)


昆野さんはカラーコーディネーターとして、さまざまな年代の方に向けた塗り絵のセミナーやパーソナルカラー診断、建物の塗り替えの相談などを行っています。

まずは基礎知識として、色の三属性である色相・明度・彩度とトーンについて解説してくださいました。「色が近いもの同士を選ぶと失敗が少なくなり、反対色を選ぶとお互いの色を引き立てるようになることを知っておくと、塗り絵だけでなくガーデニングなどにも応用できます」と、色相環という図を使ってアドバイスしました。

基礎知識を参考に、お待ちかねの塗り絵タイム。会場には心が穏やかになる音楽が流れる中、塗り絵画用紙が用意され「自分がもらって嬉しい花束」をテーマに参加者の皆さんが持参したクレヨンや色鉛筆で好きな色に塗りすすめました。塗り絵には、認知症予防やストレス解消・自己発見など、驚くべきさまざまな効果があるそうです。

「塗る時は何種類か画材を用意しておいて、その日の気分で使い分けて塗るといいと思います」と昆野さん。出来上がった塗り絵はそれぞれ違う雰囲気になり、とても個性が出ていました。参加者の皆さんにとって良い気分転換になったようです。

参加者の感想

「相続の時間」について
  • 「知らない、わからない、夫がしてくれる」と思っていたが、行動することが大切だと気づいた
  • 「いい話を聞いたで終わらせず、行動する事」という言葉が心に残った
  • これからは無知ではいられない時代になるのでとてもためになった
「塗り絵の時間」について
  • 塗り絵は手軽にできるから、便利な時間の使い方ができると思った
  • 童心に返り、リフレッシュすることができた
  • 色の基礎知識を知ることができ楽しかったし、心もスッキリした

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