1時限目

健康の時間

講師:村上 猛さん
(さっぽろ健康スポーツ財団 医療担当部長
 中央健康づくりセンター)

 10年前まで北大病院で医師の研修に関わり、現在は中央健康づくりセンターにて食生活の改善等についてアドバイスされている村上さん。日ごろ食生活分析をされて感じている事や、皆さんが陥りがちな落とし穴などについて説明してもらいました。ちなみに、今回のセミナーでお話された内容をご自身で実践され、3ヶ月間で7キロの減量をされたそうです。皆さんの興味をしっかりとつかむ自己紹介でスタートしました。

 まずは村上さんが英語の論文の中から見つけた「名言」を翻訳し紹介してもらいました。 「バランスのよい食事は何よりも効く薬になるが、偏った食事はとてもゆっくり効く毒になる」 これは、ヒンズー教や大乗仏教の真言(マントラ)ですが、村上さんが長年さまざまな人の食生活を見続けて「まさにその通り!」と感じたことだそうです。


さらに、医学的にも病気の原因になる生活習慣で最も悪いのは「偏った食事」ということが解明されているとのこと。なんと「喫煙+運動不足+大量の飲酒」よりもさらに悪い生活習慣であるという指摘に、会場から驚きの声がもれました。

他にも生活習慣や食べ物によってなりやすい、又はなりにくいがんの説明や、野菜ジュース・青汁・豆乳は生の食材に比べ効果がないという衝撃的な事実、そして「ゼロ○○」「○○オフ」など、表記の罠についてもお話してもらいました。

健康診断でとても気になる中性脂肪と悪玉コレステロールについては、数値が上がる原因の一つとして食物繊維(淡色・緑黄色野菜、きのこ、海藻、大豆製品、果物)の摂取不足があり、まずこれらを食べるようアドバイスするそうです。

質疑応答の際には、皆さんがセミナーの冒頭から気になっていた「3ヶ月で7キロやせた食生活を知りたい」という質問も。村上さんによると奥様のご協力のもと、食事の最初にサラダを食べてから普通のおかずを食べていたそうです。お酒も適度に飲まれ、運動せずにやせたというから驚きです。

今話題の健康食品やサプリメントについても質問がありましたが、一貫して「生の食材にかなうものなし」というお答えでした。身をもって実践されている村上さんのお話は非常に説得力があり、皆さんも納得されていたようでした。

2時限目

音楽の時間

講師:髙坂 聖美さん
(NPO法人 地域活性化貢献会議 常務理事)


普段から福祉のイベントや講座などで健康運動の指導をされている髙坂さん。今回は椅子を使ってできる運動を紹介してもらいました。

まずは運動の基本である「姿勢」のチェックから。正しい姿勢をしようとしても、体圧のかかり方によっては逆に悪い姿勢になってしまったり、腰痛を引き起こしてしまうことがあります。椅子に浅く座った状態で座骨を座面にしっかりとつけ、つむじをぐーっと上に持ち上げるのがいい姿勢だそうです。

続いて立った状態での姿勢の確認です。立つとかかと側に体重をかけがちですが、足の親指の付け根にある「母指球」に体重をかけるようにすることが大事だそうです。ここで隣り合った参加者同士で、お互いの姿勢を確認することに。髙坂さんのアドバイスを参考に、皆さんで楽しくチェックすることができました。

一日中椅子に座ったまま過ごしていると、血栓が生じて、エコノミークラス症候群を起こすこともあります。これを予防するための運動も教わりました。椅子に浅く腰掛け、つま先とかかとを交互に上げると、心臓から足先まで血液を運んだり戻したりするポンプの役割を果たす、ふくらはぎやすねの筋肉が鍛えられるそうです。

他にも腰痛予防やこむらがえり予防の運動、骨密度が上がる運動など、快適な生活を送るために必要な運動を紹介してもらいました。

最後は右手でグー・チョキ・パーと出しながら、左手はそれに勝つようにパー・グー・チョキと出す、頭の体操を教えてもらいました。これがなかなか難しく、皆さん苦戦しながらも楽しく手を動かしていました。

髙坂さんは「頭の体操や体を動かしたりすることによって、認知症の予防につながりますし、日々の生活が活性化すると言われていますので、ぜひ毎日の中に取り入れてみてください」と呼びかけました。

今回教えていただいた運動はどれも簡単なものなので、普段の生活にも取り入れやすいのではないでしょうか。

参加者の感想

「1時限目」について
  • できれば薬を飲むことなく、食生活で中性脂肪を下げたいと思った
  • サプリメントなどに比べ、生の食材に勝るものがないことがよくわかった
  • 不足しがちな食物繊維の大切さがわかった
「2時限目」について
  • これからできるだけ体を動かし、自宅でも継続したい
  • 簡単にできそうな運動が多かった
  • 自分の改善点がわかり、とてもよかった

ページトップへ

1時限目

お金の時間

講師:星 洋子さん
(CFP・一般FP技能士・2級DCプランナー
 FPオフィス・スターサポート代表)

普段からFPとして、現状の問題点や将来の不安を解消できるようにお手伝いされている星さん。セカンドライフを支えるお金の使いみちについて具体的な例をあげながらご紹介していただきました。
 詳しい内容は、3月28日の朝刊に掲載されました。
(紙面は右側のバナーから確認できます→)

お金の時間

趣味の時間

講師:菅野 三知博さん
(北海道知事認定アウトドアガイド
 《山岳分野》マスターガイド)


北海道は豊かな自然環境に恵まれており、本格的なアウトドアが楽しめる場所として世界中から注目を集めています。自然を安全に楽しむために、ガイドの能力を資格として認定する「北海道アウトドア資格制度」というものがあり、菅野さんはこの制度に合格した「北海道アウトドアガイド」の中でも経験豊富なリーダー的存在の「マスターガイド」認定第1号として活躍されています。

まずは、最近訪れたオロフレ峠でのスノーシューの様子や羅臼岳、800年前からあるという室蘭のミズナラの大木の写真など、沢山の美しい自然の写真をスライドで見せていただきました。

「自然はとても楽しい場所」と前置きしたうえで、菅野さんは「登山や自然はとても危険で、事故に遭ってから自分の未熟さに気付きますが、それでは遅い。このセミナーを通して危険とはこういう場所にある、と認識していただければ」と注意を促しました。

さらに安全の範囲は、技術・知識・装備で変わるというアドバイスも。特に雨具などの装備は、多少値段が高くても高性能のものを身に着けることで、より安全性を高めることができるそうです。菅野さんが過去にガイドを担当した人の中には、登山に100円のビニール傘を持ってきた人もいたとか。

また、菅野さんは洞爺湖有珠火山マイスターを取得され、許可を得て立ち入り禁止の地域にも足を踏み入れていますが、「もしこういったトラブルが起きたら…」ということを予め想定の上で行動するそう。「楽しい自然には自分を守るルールとマナーがあります。自分の身は自分で守らないといけません。」と皆さんに訴えました。

気を付けることはたくさんありますが、自然に触れるのはとても楽しいもの。最後に菅野さんは「人生は思い出づくりの旅、プラチナ世代の皆さんで楽しみましょう!」と元気に締めくくりました。

参加者の感想

「お金の時間」について
  • 心身ともに元気なうちに話し合い、計画を立てたいと思う
  • ゴールを決めて、使い道を考えるという方法に納得した
  • 未来を描きながら再点検したい
「趣味の時間」について
  • 自分の命は自分で守ることを教えてもらった
  • アウトドアを安全に楽しみたいと思う
  • 研究と知恵が必要な事がわかった

ページトップへ

1時限目

相続の時間

講師:本田 華織さん
(日本相続知財センター札幌
ファイナンシャルプランナー/相続診断士)

 相続のスペシャリストとして普段から凄惨な現場に立ち会っている本田さん。相続対策の優先順位と相続人になるのは誰なのか?ということを解説したうえで、トラブルになりやすい家族関係の事例を紹介してもらいました。

 まずは亡くなったご主人に離婚の経験があり、前妻との間に子供がいる場合です。土地や建物、預金の解約などは相続人の一人である前妻の子供の印鑑がないと手続きができないそうです。このように離婚歴があり、前のパートナーとの間に子供がいる場合は、遺言など何らかの準備をしておかないといけません。


続いては子供のいない夫婦の例です。夫が亡くなりその両親もすでに他界。夫には兄がおり、遺産の4分の1を相続できる権利があります。仲のよい兄弟同士でも、万が一の場合は態度が変わることも…。兄が遺産はいらないと言っても、兄の妻が「もらえるものは、もらうのよ!」となるケースが実際あったそうです。ただし兄弟姉妹には遺留分がないので、夫が「遺産は全て妻に渡す」という内容の遺言を残しておけば、その通りにできるとのことでした。

さらに一番もめやすいのは5000万円以下の財産を持ち、不動産を含む人だというお話もありました。1000万円や500万円も同じく5000万円以下ですから、想像よりもずっと身近な問題だということがわかります。「『うちに相続は関係ない』と言う方がいますが、決してそうではありません。億単位の財産を持っている人だけが争っているわけではないのです」と本田さんは言います。

このようにさまざまな相続争いを防ぐために有効なのが遺言です。その中でも、公証人が作成する公正証書遺言が効果的だそうです。専門家ではなく自分で作成した遺言は、遺言執行者が書かれていないなど、ささいな不備で遺言そのものが無効になってしまうことがあるからです。
 最後に本田さんは「思い込みや決めつけは今すぐやめ、正しい知識を身に付けてください。相続対策は優先順位を守り、具体的に一歩踏み出して専門家に相談するなどの行動をとってください。」とセミナーをまとめました。

塗り絵の時間

講師:昆野 照美さん
(色彩学校認定 色彩心理インストラクター)


ふだんは塗り絵のセミナーや、その人に似合う色を診断するパーソナルカラー診断などの「色」に関わる仕事をしている昆野さん。会場の皆さんと一緒に、塗り絵で心が癒される時間を過ごしました。

まずは塗り絵をきれいに塗るために、色を見るための知識から教えてもらいました。人が物体の色を見るためには「光」が必要で、一番自然に見えるのは太陽光だそうです。デパートで買った紺色の服が実は黒だった、といった失敗があると思いますが、色を正確に見るためにはきちんとした光の下で見ないといけないようです。

塗り絵などの配色を考える際にいつもと違う色を選びたいときは「色相環という図を使うと考えやすいです」と昆野さん。今回は24色が環になった図をもとに解説してもらいました。

似た色同士の安心できる配色にしたい場合は、色相環のうちの好きな1色を基準に、左右にそれぞれ3色分移動した範囲から選ぶと失敗がないそうです。逆にインパクトのある際立った配色にするときは、その色と反対の場所の色を選べばきれいな配色になるとのこと。「センスは必要ありません。色相環さえわかれば色選びで失敗することはありませんよ」と昆野さんは太鼓判を押します。

その後は実際に塗り絵に挑戦。チューリップの絵を色鉛筆やクレヨンなどで思い思いに塗りました。会場には心地よいBGMが流れるなか、どんどん塗り進める方、じっくり検討してから色を塗る方などさまざま。完成した後は皆さんの塗り絵が見えるように、一斉に上に掲げました。参加者同士で塗り絵を鑑賞し、皆さんとても楽しそうでした。

最後に昆野さんは「色は毎日楽しく過ごすためのツールになります。いろんな場面で今回お伝えした事を使って、楽しく過ごしていただきたいと思います」と皆さんにエールを送り、締めくくりました。

参加者の感想

「相続の時間」について
  • 子供達を争族にしたくないので、きちんと準備したい
  • 家族で話し合いの場を設けたい
  • 説明がとてもわかりやすく、参考になった
「塗り絵の時間」について
  • 学んだことをガーデニングに取り入れたい
  • 好きな色の服ばかり着ていたが、楽しみながらコーディネートしてみたい
  • 認知症の家族と塗り絵を描いてみたいと思った

  • 時間割一覧へ