1時限目

スマホの時間

講師:塚原 幸代さん

(KDDIスマホ・ケータイ安全教室 認定講師)

 前半は塚原さんの説明に従い、貸し出されたスマートフォンでタップやフリックなど基本の操作を行いました。まずはマップのアプリを開いて、親指と人差し指で画面を拡げて、位置情報により現在地を表示。逆に画面を小さくしていくと北海道の地図が現われました。さらに「北海道から九州に行きたいと思います」と画面をなぞり、九州の地図を表示しました。「もっと使いこなせるようになると、世界中のいろんなところに行けますよ」と塚原さん。参加者の皆さんも関心を持ち、あちこちから楽しそうな声が聞こえてきます。


続いて便利な機能の一つ、文字の音声入力を教えてもらいました。スマートフォンに向かって「こんにちは」と言ったそばから文字が画面に表示され、塚原さんが「明日12時に札幌駅のレストランで食事をしますので、二人で来てください。よろしくお願いします。」と話すと、句読点は表示されないものの正しい漢字に変換され、長い文章でもあっという間に表示されました。会場の皆さんはとてもびっくりした様子で、大盛り上がりとなりました。

後半は災害時に役立つ「au災害対策」アプリを紹介してもらいました。いち早く地震を知らせる緊急地震速報メールのほか、災害に遭い建物などから出られなくなった場合に簡易ライトを付けたり、大声を出して体力を消耗させずに助けを求めるため、音声レコーダーに録音した声を再生する方法を教わりました。

また、災害時の避難場所を音声で検索する方法や、家族に連絡を取るための「災害用伝言板」や「災害用音声お届けサービス」についても説明がありました。「本来は使う機会がないことが一番いいのですが、いざという時に使えないと本当に困ります。事前にご家族で話し合い、設定をしておくと安心です」と塚原さん。

ただ便利なだけではなく、自分の身を守るためにも役立つスマートフォン。ぜひ活用されてはいかがですか。

2時限目

防犯の時間

協力:北海道、北海道警察


2時限目は、北海道でも増えている『特殊詐欺』について学びました。実在しない老人ホームからよくできたパンフレットが届いたり、迷惑をかけないので名義だけを貸してほしいと言われたり、犯人の巧みな手法でおばあちゃんが騙されそうになる『架空請求詐欺』のお芝居や、役所の職員を名乗り、医療費が戻るという話を持ちかけてくる『還付金詐欺』についてのお芝居を鑑賞。「還付の締め切りは今日なので急いで下さい」「今回は特別にATMですぐ手続きが出来ます」など、傍から見ていると実に怪しい話ですが、参加者の皆さんからは度々笑いが漏れ、とても面白くわかりやすいお芝居でした。

続いて北海道警察本部生活安全企画課の警察官から、特殊詐欺の現状について説明してもらいました。少し前まで『オレオレ詐欺』という言葉をよく耳にしていましたが、最近は多種多様な詐欺が増えており、8種類の詐欺を合わせて特殊詐欺と呼ぶのだそう。ちなみに平成28年の被害金額はなんと全国で約406億円。これは皆さんの予想をはるかに超えた金額だったのではないでしょうか。

また、実際の詐欺グループが、役所の職員を装ってかけてきた電話を録音した音声を聞きましたが、とても丁寧な話し口調で、詐欺と見破るのはなかなか難しい印象でした。

詐欺被害が世間には多く知れ渡っているにもかかわらず、なぜ被害は減らないのでしょうか。1つは、犯人グループはかなりの回数の詐欺行為をしていて、その経験をもとに研修をしたりマニュアルまで用意しているとのこと。もう1つは被害に遭う人は、突然の電話に冷静さを失っていることが多く、騙そうとする犯人と比べ不利な状況です。また、人には「自分は大丈夫」と思ってしまう心理があり、被害者に話を聞くと「まさか自分が騙されるとは思わなかった」と言う人が多いとのことでした。

最後に佐藤さんから「被害を防ぐためには、相談することがとても大事です。相談を受けた人はとても冷静なので、客観的な助言をしてくれると思います」と重要なアドバイスをもらいました。特殊詐欺に遭わないためには、自分を過信せず周りの人に相談する、または相談してもらえるような環境を作ることが何より大事ということを学べた時間でした。

参加者の感想

「スマホの時間」について
  • 初めてスマホを使ったので、勉強になった
  • 説明がわかりやすく、テキストが役に立った
「防犯の時間」について
  • 演劇がわかりやすく、面白かった
  • もう少し詐欺被害事例を聞いてみたかった