2021.06.09

経営戦略としての健康経営

 6月9日、「2021年度 北海道の働く女性応援プロジェクト[HATAJOラボ]」が幕を開けました。コロナ禍の拡大を受けてオンライン開催となりましたが、今回は札幌だけでなく道内外のメンバーが参加。企業の持続的成長のカギを握ると言われる「健康経営」について、働く女性=HATAJOならではの視点からアプローチしました。

ヘルスリテラシーで仕事のパフォーマンスを向上

女性特有の健康問題に伴う経済損失は4911億円!

 「健康経営」とは、従業員の健康を経営的な視点から考え、戦略的に実行すること。従業員の健康維持に資する投資によって活力を向上させ、企業のイメージアップや業績向上につながることが期待されています。
 少子高齢化に伴う人手不足、企業の健康保険料の負担増が深刻化する中、健康な人材を確保し、元気で長く働いてもらえる環境づくりには大きな意義があります。経済産業省は優れた健康経営を実践する企業に対して「健康経営に関わる顕彰制度」を推進。北海道では上位法人に冠される「ホワイト500」が9社、「ブライト500」が19社が認定されています。
 健康経営において、いま企業が注目しているのが「女性の健康」です。月経や婦人科疾患、更年期症状などの悩みを抱えながら働く女性は少なくありません。業務効率の低下、通院に伴う欠勤、時には昇進を諦めたり、休職や退職が頭をよぎることも。経済産業省ヘルスケア産業課が平成31年3月に発表した「健康経営における女性の健康の取り組みについて」によると、女性特有の健康問題に伴う経済損失は4,911億円とも試算されており、企業や社会にとっても見過ごせない問題と言えるでしょう。

パフォーマンス向上のカギは
「ヘルスリテラシー」にあり!

 健康経営における女性の健康問題対策には「ヘルスリテラシー」が不可欠。健康に関する情報を収集し、自分に必要な情報を把握し、受診や様子見などの判断に活かす力を身につけることで、自分の健康に適した行動を選択できるようになります。ある調査によれば、PMS(月経前症候群)や月経随伴症状、更年期症状や更年期障害によって約半数の女性が仕事のパフォーマンスが半分以下になる一方、ヘルスリテラシーが高い人はパフォーマンスを高く保てるという結果が。月経周期に合わせて業務量や業務内容を調節したり、生理休暇を取りやすい環境を整備することもひとつの方法です。

女性ホルモンの変化はみんなの問題。
職場全体で知識を共有しよう!

 女性は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の変化に伴い、月経にまつわるさまざまな健康問題に直面します。最近は男性更年期障害(LOH症候群)も知られつつあり、性ホルモンの変化に伴う心身の不調は誰にとっても無関係ではありません。こうした事実を女性自身はもちろん男性や管理職も理解し、職場全体のヘルスリテラシーが高まれば、一人一人が自分の体とうまく付き合い、お互いを気遣いながら業務効率を高める体制が整い、企業の発展にもつながっていくことでしょう。

HATAJOが提案する
健康経営

 ラボ後半では「自分でコントロールするセルフケアと仕事」「自社に提案する健康経営の取り組みアイデア」をテーマにグループディスカッションを行いました。最も多かったのが、生理休暇に関する意見。「名称変更」「全社員にメリットのある休暇制度の整備」などの提案に共感の声が上がりました。男女が相互に理解し、健康についてオープンに話せる風土の醸成は多様性の受容にもつながるもの。健康経営のヒントは「誰もが働きやすい職場」にありそうです。

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