いつかは自分で託児所をやってみたい｣
と言ったことが、今の｢ハイホーム｣を
立ち上げるキッカケになりました。

vol1

佐藤友紀さとうゆうきさん30歳

託児所「ハイホーム」

1986年生まれ釧路市出身。北海道釧路北高校出身。釧路短期大学卒。
市内幼稚園で10年働き、2017年4月より
元同僚2人と託児所「ハイホーム」を立ち上げる。

TALK.01

なぜ釧路ではたらくの？

高校生の頃、進路について真剣に考えたときに、幼稚園の先生になりたいと思うようになりました。それから釧路市内でも資格の取れる学校があると知って、進学先を決めたんです。高校の友人たちが市外や道外へ進学する中、私は釧路に残ることになりました。夢が地元で叶うという環境が、自然と釧路で働くということにつながったのだと思います。　釧路は札幌などに比べると遊ぶ場所は確かに少ないと感じます。遊んだ記憶と言えば、カラオケへ行くか買い物に出かけたりしていたことくらいです。それも楽しい思い出ですが、もっと他の遊び場があればと思っていました。
短大を卒業後すぐに市内の幼稚園へ就職。短大のゼミの先生がオススメしてくれた職場で、市内でも園児が約１００人いる幼稚園です。１年目は人手が足りないクラスへ行ったり、園全体のサポートや先輩の指導を受けたりしていました。２年目からは１人で20人ほどの園児の担任に。そこで６年間働き、違う幼稚園も見てみようと転職して、また４年働きました。子どもに関わって10年目になりますが、幼稚園で働いていくうちに１人ひとりの園児にもっと寄り添っていきたいという想いを抱くようになりました。今の同僚２人と会った際に「いつかは自分で託児所をやってみたい」と言ったことが、今の「ハイホーム」を立ち上げるキッカケになりました。

TALK.02

釧路のこと

釧路外へ進学した友人たちから、都会のキラキラした話を聞いて、遊びに行ってみたいとは思います。けれど私にとって住みやすいのは釧路。住めば都なのかも知れませんが、私は釧路の車のある生活と過ごしやすい気候が気に入っています。しかし「ハイホーム」を始めてからは、釧路駅周辺にある多くの空きビルが気になるようになりました。ですから人が集まるような何かができればと思っています。また私は手芸が趣味で、欲しい材料があればインターネットで取り寄せています。今は釧路に手芸屋さんが少ししかないので、もっと選択肢があればと感じます。

TALK.03

職業のこと

保育士や幼稚園の先生の仕事は場合によっても変わりますが、年収３００万程度が平均だと言われています。世間一般的には薄給だと言われますが、子どもたちの成長を間近に見ることができる、かけがえのない仕事です。できないことができるようになったり、新しいことへ挑戦する喜びを一緒に感じて過ごしていける楽しさがあります。確かに現在は預かり保育を行っている幼稚園が多く、どうしても事務仕事をする時間がとれないことが多いんです。私も仕事が終わらず、よく家へ持ち帰っていました。仕事量が多ければ他の先生たちと分担することも手段のひとつだと思います。しかし、その園児の担任がやらなければならないことも多いですし、やりたいことでもあるんです。幼稚園ごとで決められている基本方針の中で、園児たちに対してどこまで、どう関わっていくかは担任の先生次第という難しくもやりがいのある仕事です。

TALK.04

気軽に頼れる
子育て世代の拠り所に

釧路で子育てをする親御さんは、突発的にお子さんを預けなければならない場合、実家を頼っていることが少なくないように感じます。しかし預けられないときもありますし、元々実家が釧路にない人もいます。気軽に預けられる第2候補があればもっとこの街が住みやすくなると感じますし、同時にそういったときに「ハイホーム」を利用して欲しいと思っています。
「ハイホーム」は保育園や幼稚園で働いてきた3人で立ち上げた託児所です。親御さんやお子さんと託児以上の信頼関係を目指して作りました。子どもたちにしてあげたいことは、たくさんあって、例えば本やテレビではない本物の景色や生き物に触れたり見たりすること。また日ごとに変わる天気ならではの遊び方、保育のプロだからこそ見守れる手芸や木工遊びなどです。乳児から5歳までの一番大切な時期に関わらせてもらうのだから、ただの預かり先ではなくお子さんたちの成長を親御さんと一緒に喜んで行ける場所にしたいと思いました。そのため子どもたち1人ひとりの小さな声に私たちが気付いてあげられるよう少人数制にすることで、想い全てを詰め込みました。私たちは今やっと夢の入り口に立っています。今の目標は、困ったときに思い浮かぶ場所になること。気軽に預けられる第2候補に｢ハイホーム｣があることを知ってもらうことですね。