地域を支え、
長く愛される
老舗スーパー

vol54

相澤長昇さん・井上理奈さん

㈱あいちょう釧路

相澤さん〉釧路市生まれ。江南高校卒業後、大東文化大学（東京都）へ進学。卒業後、築地市場や日本最大規模の共同仕入れチェーンなどに勤務。2018年帰釧し、同社へ入社。22年6月取締役社長就任。

井上さん〉釧路市生まれ。阿寒高校卒業後、同社へ入社。菓子担当として芦野店で経験を積み、6月星が浦店へ異動。

TALK.01

お２人のお仕事拝見

　釧路で２店舗を展開する老舗スーパー「㈱あいちょう釧路」。コストコ商品の取扱いや、地場産品の商品化など、独自の戦略で地域に愛される店舗づくりを行っています。相澤社長は会社全体の運営管理と共に、鮮魚売り場を担当。井上さんは菓子担当です。売り場の担当者は商品の仕入れ、価格設定、陳列、品出しなど、全般の業務を行います。担当者に与えられる裁量が大きいため仕事の自由度が高く、自己実現が叶う環境です。

TALK.02

釧路ではたらくことについて

相澤〉我が家は男性が「長」の字を継ぐ風習があり、高校卒業まで私のあだ名は「あいちょう」でした。企業と切り離せない生活が嫌で道外へ進学しましたが、将来について考えるうち釧路へ戻りたいと思うようになったんです。働く父の姿が好きで、私も社長として自分を試してみたいと決意しました。

井上〉高校卒業後は就職を希望していました。働くのであれば住み慣れた釧路が良いと思っていました。「あいちょう」は学校に求人があり、よく訪れていたので働いている姿が想像しやすかったんです。明るく素直な性格が評価され、入社当初からお菓子とパンコーナーの担当として働いています。

TALK.03

仕事は楽しいですか？

相澤〉大手スーパーでは販売商品、陳列の仕方、価格、数量まで細かく決められていることが多いです。しかし当社は売り場の担当者に一任しています。ある程度までは上司の許可なく仕入れでき、売価も担当者が決定します。伴う責任もありますが、センスで勝負できるおもしろい仕事です。

井上〉一番好きな仕事は補充作業です。仕入れた商品が売れている様子を確認できるため、分析しながら空きなく陳列し直します。マルシェ山花の「シフォンケーキ」など単価が高い商品の仕入れは挑戦で、売れると達成感はひとしお。「あんどーなつ」は独自に仕入れ、定番にまで育てられた思い入れの強い品です。

TALK.04

将来の夢を教えてください

相澤〉人口減少が課題の釧路ですが、スーパーも生き残りをかけた創意工夫が求められます。例えば地元スーパーでの共同仕入れで価格努力を行う、地元ブランドを集めて全国に向けて代理販売する。身軽さを活かして地域一体を進め、“釧路が売れる”戦略を講じたいです。

井上〉6月から星が浦店で働くことになり、私のセンスで自由に売り場づくりを行っていいと言われています。棚自体のレイアウト、高さ、商品の設置まで、徹底してオリジナルな売り場に作り替えたいと思っています。周囲に手助けをもらいながら、期待に応えたいですね。