釧根のジャス生みの親
今だ続くジャズへの思い
谷内田 一哉 さん79歳
ジャズ喫茶 サテンドール
マスター
1938年生まれ、根室出身。
東京の大学に進学後、根室へ戻り水産加工の会社に就職。
1965年に東京からのUターン5人組で、
サークル「ネムロ・ホット・ジャズ・クラブ」を結成。
’78年に、サークル仲間の後押しを受けてサテンドールを始める。
’81年に緑町から駅前へ移転し、現在も営業を続けている。
TALK.01
ジャズ好きの熱意で未経験の喫茶店経営へ
この店はジャズ好きがサークルを作ったことが始まりです。メンバー全員が東京から地元に戻ってきた、ジャズブームの洗礼を受けて育った世代でした。当時、私は水産加工の会社に勤めていて、1万2千円程度の給料で、8千円もするレコードを買ったりして。親元だからできたことですね。そのうち仲間から「活動の場が欲しい」という声が上がって、40代にして未経験の喫茶店マスターへ転職しました。
●サテンドール
住所/根室市大正町1-24 TEL/0153-24-8052
営/10:00~22:00 休/不定休(7~9月は無休)
TALK.02
最果てで開催され、
口コミから広まった伝説ライブの数々
店内には2千枚以上のレコードがありますが、喫茶店を初めてから集めたものです。ジャズであればジャンルを問わず、お店で流していました。1978年頃「ライブも開催したい」と思っていた矢先に、ジャズ雑誌を通して私たちの活動を知り、著名なジャズベーシストの鈴木勲さんが来てくれることになったんです。そこからジャズマン同士の口コミで良いライブができると評判になって、日野ブラザーズのような世界的な演奏者が来てくれるようになりました。
TALK.03
人生の先輩から若者たちへのメッセージ
根室は外からの刺激を大切にして、応援してくれる土地柄があると思います。好奇心が強いというか。元々米軍基地があったりして、ジャズに対する抵抗がなかったということも関係しているのかも知れません。
最近ではジャズファンも年長者ばかりになってしまったので、若い世代にもジャズの魅力を知ってもらいたいと思っています。