海外のお客様も多くなりましたが、
基本となるのは世界共通で笑顔とご挨拶。
小山 あき さん69歳
鶴雅リゾート 女将
1948年、利尻島生まれ。13歳から弟子屈町で育つ。
高校卒業後、弟子屈町内で事務員として28歳まで勤務。
79年、友人の誘いで阿寒グランドホテル(現鶴雅リゾート)に勤める。
92年より13年間、あかん遊久の里鶴雅で女性支配人として貢献。
2009年夏から同ホテルで女将として働いている。
18年、道内唯一の観光関係功労者として国土交通大臣表彰を受賞。
TALK.01
観光業に携り、続けられた理由とは
私が温泉旅館に転職したのは29歳でした。親友が阿寒グランドホテル(現鶴雅リゾート)料理長の奥さんで、良かったら働いてみてはと誘われたことがきっかけです。それ以前は建設業の事務員だったので、全く畑違いの仕事をしていました。しかし、その頃から電話応対やお茶出しなどは好きだったので、挑戦してみることにしたんです。
最初は灰皿を変えるタイミングなど分からないことばかりで、昔ですから「見て覚えてください」という指導方法です。しかし、社員同士の結びつきは私的なことまで話せる家族のようでした。どんな話も自然に受け止めてくれた宿のお母さん(故大西茂子会長)や姉と思える方々がいたからこそ、続けられたのだと思っています。
TALK.02
プロフェッショナルの証、大臣表彰までの道のり
至らない点をお客様からご指摘いただいたことは多くございます。生涯忘れられない出来事は支配人時代、お部屋食のお客様より「料理が遅い」と再三にわたりお電話が入ったときです。私どもの不手際にお怒りの言葉が内線トラブルで同じ階の別なお客様へつながってしまって、そのお言葉のキツさに電話を受けたお客様からも「支配人をすぐに呼びなさい」と連絡が入りました。誠心誠意1時間かけてお詫びをさせていただき、お許しをいただきました。今でも季節毎のご挨拶などでお付き合いが続いており、感謝の思いです。
5月でこの仕事を始めて40年の節目を迎え、旅行業に携わる一人として身に余る国土交通大臣表彰をいただきました。辞めたいと思ったことは一度もなく、悩むより楽しいと感じる時間が多いです。大好きな仕事を続けられていることを嬉しく思っています。
TALK.03
人生の先輩から若者たちへのメッセージ
旅行の在り方が変わり、海外のお客様も多くなりました。しかし基本となるのは世界共通で笑顔とご挨拶。そうした社会人としてのマナーを身に付けられ、評価されるという点で若い世代にとってもここは教養を身に付けられる貴重な職場です。無言でお帰りになったお客様には、自分を向上させるヒントが隠れているなど、お客様の要望を見極めるようになると、その後は個々の持ち味で機転をきかせることができます。また、休日は大いにリフレッシュし、その気持ちを仕事へ向けていただきたいですね。
私の新聞活用術
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お客様に支えられていることを忘れずに
お客様にご宿泊いただいての鶴雅です。観光関連の記事は必ず目を通すようにしています。また、地元のお客様に支えられておりますので、市内はもちろん、道内のお悔み欄も確認していますね。
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仕事で役立つ情報は万人受けするスポーツ記事
意外と仕事で役立つのはスポーツ関係の記事です。相撲やサッカーなど、試合展開や勝ち負けなどを把握しておくと老若男女のお客様と話が盛り上がります。