観光船は釧路の人口が減る中、チャレンジする価値ある事業だと思います。
佐久間 陽介 さん36歳
有限会社アイコム
代表取締役社長
1980年、釧路市生まれ。
釧路北高等学校卒業後、サハリン国立大学東洋学部経済学科へ進学。大学4年生の22歳、重篤な眼病を患い帰国。釧路日赤病院・北海道大学病院に合わせて約1年間入院し、退院後は通院を続けながら札幌大学のロシア語学科に編入し卒業する。2007年から2年間はロシア・サンクトペテルブルグの日本領事館に勤務。10年に釧路でロシア語講師を始める。13年同社、代表取締役社長に就任。14年ジャママートコーヒー設立。17年シークレインの運営開始。
TALK.01
高校卒業後、渡露ドラマを地でいく人生経験
釧路から父の知り合いを頼ってロシアの大学に進学しました。
最初の頃は講義も聞き取れなかったので、文字のキレイな同級生にノートを借りて書き写す毎日でした。大学4年生で目の病気を患い帰国、そのまま入院することになりました。退院後は札幌大学を卒業。習得したロシア語を生かした仕事を探していたところ、ロシアの日本領事館で2年間勤務することになりました。釧路に戻り、父の会社を手伝いながら、釧路でロシア語講師も始めました。観光船「シークレイン」を始めたのは釧路が観光として注目されてきたこと、父の周りに海好きの素敵な仲間がたくさんいたことです。彼らなしに今のクルーズ船はあり得ません。心から感謝しています。
TALK.02
釧路人こそ見て欲しい日本三大夕日の真実
昨年から営業を始めた観光船で私はガイドとして運営に関わっています。観光船は釧路の人口が減る中、チャレンジする価値ある事業だと思います。利用者は本州の方が多く、ピーチ航空の就航も次の一手になり得るでしょう。
ガイドを始めてから強く感じたのは、陸の上と船の上では夕景の美しさが全く違うことです。以前は私も、家からの夕景で十分美しいと思っていました。けれど涼しく静かな船の上から見る、日没後の夕日と夕景は本当に美しいんです。地元だからこそ「世界三大夕日(笑)」なんて、実感できない方もいるかもしれませんが、船乗りたちの口コミは決して伊達じゃない。船に乗れば誇れるものだと、明確に分かるはずです。それを地元の人にこそ知って欲しいと思い、釧路人割引も行っています。
私は観光に携わる仕事をしていますが、職業に観光業という区分けはありません。しかし今後、屋形船やシーカヤックなど港の観光コンテンツが増えれば、観光業をやってみたいという若者が手を挙げるかもしれません。
アクティビティの選択肢が増えれば、観光客のニーズに合致することもできる…。ひいては釧路全体で盛り上がっていけるのではないでしょうか。
TALK.03
人生の先輩から 若者たちへの メッセージ
仕事において若者であることのメリットは、大部分にないと思います。「若者には体力がある」なんて言いますが、経験上50代の人生の先輩が一番弱音を吐かずに仕事をします。また「若者には発想がある」とも言いますが、60歳を超えた経営者の方が発想なども洗練されたものを持っています。あなたに勝ち目はありません(笑)。しかしあなたが意地を張らず素直であれば、そんな大人たちが味方です。
私の新聞活用術
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新聞の斜め読みで、 必要な情報だけを キャッチ
新聞は基本的に、必要な情報だけを拾う斜め読みです。楽しみにしているのはロシア関連の記事で、北海道新聞は特に多いので活用させてもらっています。
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記事検索ができるどうしん電子版
どうしん電子版であれば、ロシアに絞って記事検索ができるので一週間に一度はアクセスしています。ロシアは、独裁的と言われながらもロシアを経済発展に導いたプーチン大統領と、国民の関係性がとても面白いですよ。