私もまだまだ学ぶことが
多いと思っていますが、
誰かの刺激になれればいいと思います。
安藤 靖子 さん76歳
革&ガラス工芸家
1940年生まれ。釧路市出身。
30代で革工芸をはじめ、40代でガラス工芸にも魅せられる。
夫の転勤で道内各地を回り、97年夫婦で鶴居に移住。
翌年、鶴居村の雪裡原野北にギャラリー兼工房「彩の風」を開設する。
現在は自身の作品を手掛けながら、
レザーアートとステンドグラスの教室も開いている。
TALK.01
主婦からの転向、学び続ける
姿勢で個性ある作品作り
ものづくりの始まりは息子のために、ランドセルの代わりになるカバンを作ってあげたこと。それが革工芸との出会いと言えます。その10年後にガラス工芸にも興味を持って、本格的に学び始めたのは子どもたちが自立する50代からです。
レザーやガラスの本場はヨーロッパやアメリカなので、ポートランドやベネチアなどの研修にも参加しました。旅行に出かけた際も気になるものがあれば、その場でスケッチしたり写真を撮ったり…。その刺激が作品作りに役立っています。
釧路出身ながら夫の転勤で初めて鶴居村のことを知って、定年を迎えるにあたり自然あふれるこの場所で生活していきたいと定住を決めました。
TALK.02
やまない創作意欲、海外経験も
取り入れた20周年の集大成
主婦業の傍ら作りたいものを手掛けてきたスタンスは変わっていないので、ギャラリーには本当に好きな作品しかありません。けれど、今まで満足のできる作品には達していないと感じています。
レザーは45年間、ガラスには35年間関わってきましたが、「次はこうしよう」と湧き上がる思いが創作意欲につながっています。また、テーマになる発想の源は大自然。現在は毎年レザーとガラスを合わせて50点ほどの新作を仕上げています。
ギャラリーが20周年を迎えるので、今年は集大成としてレザーとガラスを組み合わせた作品も手掛けました。
海外でいろいろな技術や作品を見てきましたが、日本には日本の良さがあります。今後も海外の技術を取り入れながら、自身の個性を表現していきたいですね。
TALK.03
人生の先輩から若者たちへのメッセージ
「継続は力なり」という言葉がありますがまったくその通り。長く続けることでいろいろなものに触れ、自分を高めていけば周囲に良い影響を与えることもあるのだと思います。才能があるかないかは最初から分かることではないので、何事も根気強く続けていただきたいですね。私もまだまだ学ぶことが多いと思っていますが、誰かの刺激になれればいいと思います。
私の新聞活用術
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新聞は生活になじむ一番の情報源
私にとって新聞は生活の一部で、一番の情報源です。ものづくりをしているためか、テレビでは視覚も聴覚も釘付けになってしまって刺激が強すぎるように感じるんです。新聞のインクの香りがしたり、読んでいると手が黒くなってしまったりすることも自然体で大切な感覚だと思います。
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インターネットとは違うつながる感覚を楽しむ
長く活動を続けてきたご縁もあって、新聞に何度か記事にしてもらいました。自身の活動をさまざまな人に知ってもらえるキッカケになり、嬉しく思いますね。 また吹雪などの大変な時の配達は「お天気のときにまとめて持ってきてください」とお願いします。そういったインターネットにはない、人とのつながりも新聞を好きな理由のひとつです。