子どもが運動会などで転倒してけがをしたら、ほかの子が巻き込まれないように、まず安全な場所に移動させましょう。傷に泥や砂利が付いていれば水道水で洗い流し、出血している場合はきれいなハンカチなどで圧迫して止血してください。けがをした人の血液に直接触れないようビニール袋などで手を覆って処置し、止血した後はガーゼや絆創膏(ばんそうこう)を当てて様子を見ましょう。傷が大きく縫う必要がありそうな場合は、早めに近くの医療機関へ。大量に出血している場合や、出血が止まらない場合、また、目がうつろで顔色が悪い場合など、いつもと様子が違うときには直ちに119番通報してください。
キャンプなどの調理中に炭を足の上に落としたり、鍋をひっくり返してやけどした場合は、まず患部を熱源から離し、水道水などきれいな水で冷やしてください。水疱がある場合は、水の勢いで破けることがありますので、手で水を受けながら流すか、弱めに水を流すようにしましょう。やけどの範囲が広い場合は、冷やすことで低体温症になる可能性があるので、濡らしたタオルを当てて冷やします。ごく小さい範囲の皮膚が赤くなっているだけなら、そのまま様子を見ますが、水疱になっている場合は破れないようにし、きれいなガーゼやタオルで覆って、できるだけ早く医療機関を受診してください。体の10%以上に及ぶ広範囲にやけどした場合は、直ちに119番通報してください。
高齢者は、骨粗しょう症などで骨がもろくなり、転倒した際に腰に負担がかかって圧迫骨折したり、足の付け根の大腿骨(だいたいこつ)などを骨折する場合があります。周囲の人は、できるだけ高齢者の動きに注意する心配りが必要です。万が一転倒して骨折した場合は、添え木を当てて固定します。折れた骨は体内で組織を傷つける可能性があり、固定することは、痛みを軽減する上でも有効です。雑誌や新聞でも良いですし、アウトドアなら太めの木の枝も利用できます。添え木は、骨折部の上下の関節を固定できる長さのものを使用しましょう。太ももが変形している場合や骨が飛び出している場合などには、直ちに119番通報してください。