「育てる」より「育つ」大切なのは成長の手助け
昨年、ファイターズでは若手選手たちが期待に応えて活躍してくれました。私は選手の育成について、「育てる」より「育つ」だと思っています。自分が教え育てるより、選手たちが自然に学んで伸びる手助けをどうできるか、どうしたら成長しやすい環境をつくれるのかを意識しています。
野球選手は、技術だけ磨いても、野球はうまくなりません。大切なのは人間力。人として成長しなければ、一人前の野球人とは言えない。それは、私自身の考えであり、チーム自体の考えでもあります。
私は、野球の力とは人の生きざまだと思っています。本当に命懸けでその瞬間を生きる。魂が込められていなければ、人には伝わらない。その思いは、間違いなく選手たちに浸透していると思います。
北海道に教わったこと北海道に恩返しすること
私は座右の銘として「夢は正夢」という言葉を大切にしていますが、それをかなえるために必要なのは「熱さ」だと思っています。何かを実現したいという思いが、誰よりも熱く、強く、必死であるかないか。そのことを、特に若い選手たちには繰り返して伝えてきました。
ファイターズは、北海道の皆さんに特に愛されているチームです。そのチームを愛し続けてもらうためには、常に戦う姿勢を示し続けなければいけないと思っています。選手たちには、感動が推進力になるということを伝えてきました。やっている方が感動しなかったら、見ている人たちに感動してもらえないんだと。今年、そしてその先も、常に新鮮な野球を目指して、見ている人たちが楽しめるチームにしていきたいですね。
北海道に教わったこと北海道に恩返しすること
わたしは、1999年に栗山町から観光大使のお話をいただき、それ以来、栗山町の方々と親交を深めてきました。そこで得たものは、町の皆さんの愛情や情熱。そして、一緒になって戦っていただいたということ。地域に根差すということの本当の意味を、皆さんから教わった思いです。
自分が監督をやるに当たり、北海道の自然から教えられたことはとても大きなものでした。北海道だからこそ、人は自然と共生できる。自然と一緒に生きるということは、人間の根源的なことだと思います。この地で学んだこと、感じたことを、これからも伝えていきたいですね。
今年は、ファイターズが北海道へ移転して10年目の年。北海道の皆さんに愛されているこのチームを、さらに強くしていかなければなりません。チームの力を存分に発揮できる札幌ドームのファイターズ戦。選手たちを後押ししているのは、明らかにファンの皆さんの思いです。その思いに恩返しするために、今年も熱く強い戦いを目指していきたいと思います。