1時限目

相続の時間

講師:本田 華織さん
(一般社団法人 相続手続支援センター札幌
 ファイナンシャルプランナー/相続診断士)


相続診断士として、普段から相続や遺言に悩んでいる方々に寄り添い、解決のお手伝いをされている本田さん。家族で争わないためにはどうすればよいのかをわかりやすく解説していただきました。

まず、相続トラブルは「家あり、金なし」が一番多いというお話に会場が笑いに包まれました。不動産は相続トラブルの元になりやすく、特別お金持ちのお家じゃなくても相続ならぬ「争続」になってしまう可能性は十分にあると、本田さんは警鐘を鳴らしました。

さらに実際にあった相続トラブルの事例をいくつか紹介し、このようなことを防ぐためには遺言が大事で、自筆の遺言よりも公証人役場で作成する公正証書遺言が安心と解説してくれました。

最後に本田さんは、「不安な方は一人で悩まずに、信頼できる専門家にぜひ相談してください」と呼びかけました。いざというときにどうしていいかわからない相続について、行動を起こすいいきっかけになったのではないでしょうか。

2時限目

趣味の時間

講師:常盤 省吾さん
(JTBワールドバケーションズ 商品戦略部 部長)


ツアー企画のプロとして、今まで世界128ヶ国を訪れた常盤さん。
ご本人が撮影された世界中の絶景の写真を交えつつ、旅のノウハウを余すところなく教えていただきました。

旅行の日数選びで迷ったときは移動時間や天候に恵まれない場合を考慮し、一日でも長いツアーを選ぶこと、また時差の負担が一番少ないのは南北方向への移動であること、「新・三種の神器」として、クレジットカード・ケータイ・海外旅行保険があればなんとかなる!
など、思わずなるほど~!とうなってしまうアドバイスを伝授。
ホテルのグレードやツアー参加者の数についても旅行のプロだからこそ知っている、旅に役立つ情報ばかりを紹介してもらいました。

講演の間には、常盤さんが世界中を回ってご自身で撮影された絶景の写真をご紹介。スペイン・アンダルシアの白い村やブラジル・リオのカーニバル、カンボジアのアンコールワットなど、行ってみたい!と思ってしまう美しい写真にご参加の皆さんからもため息がもれるほどでした。

常盤さんは「海外旅行は自分の思い出として、誰に渡すものでも取られるものでもありませんから、元気なうちにぜひ旅行に出かけていただきたいと思います」と締めくくりました。

参加者の感想

「相続の時間」について
  • 「予備的遺言」を知ることができてよかった
  • 生前贈与について聞いてみたい
  • とてもわかりやすく、勉強になった
「趣味の時間」について
  • 旅行ができる健康な老人になりたいと思った
  • 国内旅行の話も聞いてみたい
  • 話を聞いて旅行したくなった

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1時限目

住まいの時間

講師:小番(こつがい)一弘さん
(NPO法人「札幌高齢者住まいのサポートセンター」代表)


小番さんは認知症の母親を介護しており、同じく認知症でケアハウスを退出することになった伯母の住宅探しに苦労した経験から、
「札幌高齢者住まいのサポートセンター」を設立し、高齢者の住まいを探すお手伝いをしています。

高齢者の住まい探しは、不動産会社が対応してくれなかったり、種類が多かったりとなかなか難しいもの。「事前に種類や入居条件を確認しておいてから、(親や自分が)入居できるのはどこなのかを探していかないと非効率的になってしまう」と小番さんは指摘します。

このように探すのが難しい高齢者住宅の中でも、比較的入りやすい有料老人ホーム・サービス付き高齢者住宅・高齢者向け賃貸住宅の特徴や違いを詳しく説明。

最後の質疑応答の際も、介護保険についての具体的な質問があるなど、皆さんにとって非常に関心の高いテーマであることが感じられました。

暮らしの時間

講師:福田 淳一
(北海道新聞社「おばんでした」編集長)


「わたしの周りは超高齢社会」という北海道新聞の長期連載をしていた福田編集長。今回はその時の取材経験から、皆さんのヒントになる話を聞きました。

データをもとに日本の高齢化の歴史を振り返り、平均寿命の推移などをわかりやすく解説。高齢化に伴うライフスタイルの激変により、高齢者の一人暮らしや夫婦二人暮らしが増え、同時に色々な問題も増えました。その一つが孤立死であり、2013年に道内で孤立死した方の約7割が男性であるという衝撃的なデータも福田編集長は「女性は地域に色々なネットワークを持つ方が多いが、男性は仕事の付き合いばかりで、地域にネットワークを持っていないことが多く、仕事が終わると職場のネットワークは切れてしまう。こういったことも影響しているのでは」と分析しています。

またNPO活動やボランティア、少し働くなどの社会参加で「第2の人生」を楽しまれている方々を紹介。そのほかに生涯発達心理学や医学の専門家への取材を通して「社会参加と運動はあらゆる意味で大切」と話しました。

プラチナ世代の皆さんにとっては非常に興味深い、今後を生きるための重要なヒントになったのではないでしょうか。

参加者の感想

「住まいの時間」について
  • 住まいの種類と特徴をもっと聞きたかった
  • 老人ホームの区分を理解でき、参考になった
  • 札幌市内の施設の評価ランキングの資料があるといいと思う
「暮らしの時間」について
  • 社会参加して長生きしたいと思った
  • 老後の決め手はお金の他に、心の豊かさや心の健康と思った
  • ユーモアがあって大変良かった

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1時限目

1時限目

相続の時間

講師:本田 華織さん
(一般社団法人 相続手続支援センター札幌
 ファイナンシャルプランナー/相続診断士)


1日目に相続についてわかりやすく解説していただいた本田さん。今回は相続の基本をおさらいし、より複雑なトラブル事例を紹介してもらいました。

亡くなった方名義の不動産の相続のトラブル事例のときには、30年放置しておいたばかりに相続人が12人になってしまったというお話に、参加者の皆さんから思わず「えっ!」という声がもれてました。

相続人の方が亡くなった方本人と関係が遠い場合だと、「もらえるものはもらいたい」という気持ちも出てくるため、話がまとまりづらいこともあるそうです。「不動産など手続きをせずに何年も放置しているものがあれば、今のうちに手続きしておいたほうがいいですよ」と本田さん。

最後に、法律は「弱い者」の味方ではなく「正しく知っている者」の味方であること、そして「思い込みや決めつけで手続きをせず、専門家に相談し正しく準備してください」というお話で締めくくりました。

2時限目

終活動の時間

講師:福田 淳一
(北海道新聞社「おばんでした」編集長)


前回は高齢者の生き方について、今後のヒントを提示してくれた福田編集長。今回は終活について、最近の葬儀事情について話しました。

ここ最近では家族葬が広く普及しており、その原因としては少子高齢化や長寿でリタイア後が長いこと、会葬者の多いかつての一般葬の反動が挙げられるそうです。

他にも合同墓の普及や樹木葬、散骨なども非常に関心を集めているとのこと。葬儀だけではなく、お墓事情も多様化していることがうかがえます。

福田編集長が北海道の終活情報をまとめた著書は高齢者のみならず30~40代の人も購入しているという驚きのデータがあり、自身も「終活の主人公が高齢者であることは間違いないと思うが、第二の主人公は意外にも若い層ではないか、というのが今の実感です」と意外な購入層について推測しています。

終活は主人公である高齢者だけではなく、若い世代にも身近なこととして関心が広がっているということではないでしょうか。

参加者の感想

「相続の時間」について
  • 具体的に相談できるところが見つかり、安心につながった
  • 保険の話も聞いてみたい
  • 身近な問題で参考になった
「終活の時間」について
  • 参加して違った考え方が理解できた
  • 今度は夫にも出席させたい
  • 不得手な分野の知識取得、よい勉強になる

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