高崎私たちニッポンハムグループは、“食のインフラ”を支える企業として、「Vision2030」を策定し、その一環として「5つのマテリアリティ」を掲げ、さまざまな活動に取り組んでいます。
今、社会環境や人々のライフスタイルの変化に伴い、食の多様性が求められ、持続可能な地球環境への貢献などがあり、それに関連してフードロスの問題にも大変注目しています。
SDGsでも「2030年までに世界の食料廃棄を半減する」と宣言され、世の中でも認知されつつありますが、山田さんが代表を務めていらっしゃる『フードロスバンク』はどういった活動をされているのでしょうか。
山田 2020年のコロナ禍に飲食店の営業がストップし、食材の販路も激減して、生産者の方々が大変困っていると知りました。そこで何かできないだろうかと思い、食品ロスの削減を通じて、環境改善に取り組むための会社を設立しました。
私たちが日ごろ手にする野菜や果物は、色や形が整ってきれいです。しかし、味はまったく問題がないのに、傷があり、サイズや形が規格に合わないなどの理由で廃棄されるものがたくさんあります。
これらの食材を活用したいと思い、いくつかのレストランとコラボレーションして、廃棄予定だった作物を使った「LOSS FOOD MENU」を開発したり、あえて“UGLY LOVE”食材と名づけて、チャーミングにブランディングしたり、誰もが積極的に購入したくなるものに変えていくプロジェクトに取り組んでいます。
「多様性を尊重し」「循環性があり」「持続可能である事」この3つを軸に活動中。
誰も取り残されることなく、人や食物、生物の多様性を活かしながら、社会課題の解決と同時に地球を支える企業なども経済成長できるスキームを構築し、個々も一人の力を信じて参加できるモデルを目指し、未来のために地球人としての義務を果たしていきます。
高崎ニッポンハムグループでは、フードロスと並んで、食に関するSDGsという点で、もう一つ大切にしていることがあります。それが“食物アレルギーケア”です。
東北日本ハムでは、特定原材料7品目を使用していない、食物アレルギー対応商品の『みんなの食卓®』を製造する専用工場となっています。
今回、工場を見学しましたがいかがでしたか?
山田ハムやソーセージなどお肉の加工品から、パンまで幅広いラインナップですよね。
7大アレルゲンを持ち込まないように、管理体制もしっかりしているところがすばらしかったです。
また、手作業で一つずつ計量したり、カットしたり、丁寧に作業されているところに驚きました。
パンの製造ラインでは、出来立ての米粉パンを試食させていただき、フワフワした食感でとてもおいしかったです。
高崎この工場では、2007年から食物アレルギーケア対応商品を製造しています。
お客さまからのお声がきっかけですが、ニッポンハムグループの基本となる理念は、『みんなが同じ食卓を囲んで、同じおいしさを味わう』という“食べる喜び”です。
その理念をどうしても守りたくて、1990年代半ばから食物アレルギーケアの研究開発を始めました。
ちなみに、米粉パンの原料となっているお米は、工場がある山形県で収穫されたお米を使っています。
山田地産地消にもなっていて、素晴らしい取り組みですね。まさにSDGsの理念である“地球上の誰ひとり取り残さない”ということを、“食”の領域で広げていらっしゃることを感じました。