北海道新聞エコ大賞

第2回北海道新聞エコ大賞受賞者決定!

北海道らしいテーマで地域を元気にする環境保護活動を応援する「北海道新聞エコ大賞」。
北海道を拠点に活動する「企業・団体の部」と「家族・サークルの部」に計89件の応募があり、
大賞各1件、奨励賞各3件の受賞者が決まりました。
ユニークで着実な取り組みを続ける各受賞者と、その活動内容をご紹介します。

<2011年度北海道新聞エコ大賞 審査委員会>

●審査委員長 / 辻井達一氏(財団法人北海道環境財団理事長)
●審査委員 / 大原昌宏氏(北海道大学総合博物館教授)
菅井貴子氏(フリーキャスター・気象予報士)
ビアンカ・フュルスト氏(環境カウンセラー・札幌市環境保全アドバイザー)
三好則男(北海道新聞社取締役経営企画室長)
企業・団体の部家族・サークルの部
企業・団体の部
北見工業大学氷雪研究推進センター(北見市)「北見工業大学氷雪利用研究会」

コンクリート製の貯蔵庫を雪で覆い、その上に断熱材として牧草をかぶせ、野菜を保存する実験に北見市や地元企業と取り組んでいます。
貯蔵庫は直径1.5メートル、長さ6メートルの円筒形で、野菜約500キロが入る大きさ。2010年4月、その上に山状に雪を積み、さらに厚さ約30センチの牧草で覆いました。 実験は現在も続いており、貯蔵庫内は通年でほぼ0度を保ち、牧草で覆うと雪の融解量を約7分の1に減らせることも分かりました。
代表の高橋修平教授は、「費用も高額でなく個人でも設置できる施設。農家の作物貯蔵での実用化を目指したい」と話しています。

奨励賞(各10万円)

倶知安農業高校畜産班(後志管内倶知安町)
「『地域の未利用資源』を利用した豚の飼料作りプロジェクト」

6年前から、でんぷんかすなど地域で破棄されていた未利用の資源を、校内で飼育する豚の飼料作りに活用。 飼料を給食の残りを使ったのが始まりで、その後、豆腐店のおから、でんぷん工場のでんぷんかすを加え、今では材料の7割が未利用資源です。すべて無償で譲り受けて、飼料代は3分の1に。豚肉は町内のイベントなどで販売しています。

環境NGO ezorock[エゾロック](札幌市中央区)
「サイクルシェアリングチーム」

札幌市中心部で自転車を共同利用するサービス「ポロクル」。その現場運営を担っています。 学生中心の10、20代のメンバー40人が自転車の貸し出し拠点40カ所を見回り、台数調整やパンク修理などの整備点検を担当。 共同利用が資源の消費を抑え、放置自転車の削減につながることをイベントなどでアピールし、運転マナーの向上も呼びかけました。

ハイブリット伏流式人工湿地研究グループ(札幌市北区)
「新しい人工湿地による汚水浄化技術の開発と普及」

北海道大学の研究者や企業など産学官のチームによる取り組み。 排水を湿地に流し、地中の微生物の力で汚濁物質を分解。排水の流れで冬でも凍らないように工夫し、通年処理できる技術です。 すでに道内外の酪農家やチーズ工房で実用化。
でんぷん工場の排水など、さらに高濃度の汚水浄化技術を研究中で、家畜ふん尿処理に悩むベトナムでの導入も目指しています。

家族・サークルの部
CHARME ROSE(シャルムローズ)(北広島市)「屋上緑化コンテナガーデンin北広島」

「CHARME ROSE(シャルムローズ)」は、日本語で「魅了するバラ」。牧野さんは、そんな名前の「花の楽園」を北広島市内中心部に所有する6階建てビルの屋上に作り上げました。
1997年からこの屋上で本格的なガーデニングを始め、約120平方メートルのスペースに大型の花壇用容器(コンテナ)や鉢を並べ、土にも気を配りました。
今では四季折々の花や果実は約200種類に及びます。屋上庭園の断熱効果でビル内は暖かく、夏は涼しく、省エネルギーに一役買っています。

奨励賞(各3万円)

中標津十二楽走[じゅうにらくそう](根室管内中標津町)
「なかしべつ330° 開陽台マラソンにおける『マイカップ運動』」

マラソン愛好者約20人でつくるグループ。
自分専用の給水コップを持って走る「マイカップ運動」を呼び掛け、コースに紙コップのごみが散乱しないクリーンな大会を実現しました。
コップを帽子に留める洗濯ばさみなど便利グッズをランナーに配布するなど取り組みを進めています。

TAIRYO HUG 大漁育[たいりょうはぐ](胆振管内白老町)
「大漁再利用還元事業」

「TAIRYO HUG 大漁育」のブランドで、廃船で使われなくなった大漁旗を再利用し、バッグや服などの日用品にしています。
地元の胆振管内白老町や苫小牧市などの漁業者から昨年は126枚を譲り受け、鮮やかな図柄を生かしてデザインし製品化。
白老や札幌市で販売しています。代表の前田さんは「胆振の海に利益を還元してリサイクルの輪を完成させたい」と、売り上げの一部を海を豊かにする職業活動などに寄付する予定です。

北見友の会三輪最寄[みわもより](北見市)
「エネルギー削減はもう一つの発電 鍋でご飯を炊く」

北見市三輪に住む雑誌「婦人之友」愛読者で10人で作るグループ。
エネルギー節約を目指し、電気炊飯器より加熱時間が短い鍋の利用を地域に広めました。
勉強会で、米3合を炊くには一般的な炊飯器で40〜60分。ガスや電磁誘導加熱(IH)調理器具では8分〜20分で済みました。
昨年11月に住民向け講習会を開き、勉強会の結果を美味しいご飯の炊き方と共に紹介し、好評を得ました。