柔らかな光で 釧路を描く表現師
vol9
小泉 千里 さん42歳
パステル画家
1976年、釧路市生まれ。釧路公立大学経済学部に入学し、所属した美術部で初めてパステル画に触れる。大学卒業後はN H K釧路放送局の事務員を経てJR北海道釧路支社へ勤務。広告物やイベント列車のヘッドマークデザインなどを担う。(2016年退職)30歳でパステル画を再開し、31歳で個展を開催。翌年よりNHKギャラリーなど各所で個展を継続。19年には銀座でも開催した。18年からは釧路道新文化センター道新教室で講師を務めている。
TALK.01
絵を描く技法について教えて下さい
パステル画は、細く削って使ったり消しゴムをかけたりと道具を必要とするものが主流です。しかし私の技法は両手の指で色を重ねていく独自の技法。今は元々描いていた風景画の作品に加えて、タンチョウヅルを描いたり、講座を通してパステル画の魅力を伝えたりしています。
TALK.02
はじめたキッカケはなんですか?
パステル画は友人の薦めで入った大学の美術部で、偶然出会いました。美術が苦手だと思っていた私にとって、自由に描ける環境が合っていたのだと思います。仕事で行き詰まりを感じたときに、止めてしまっていた絵を描こうと思ったのも、その思い出があったからでした。通勤路だった幣舞橋からの夕焼けを何枚も描いて、誰かに見てもらいたいと個展を開きました。しかし東京などで展示を行うと、私のことも釧路のことも知らないお客さんは幣舞橋の夕景の絵を見て「橋が好きなの?」と聞くんです。まだ見せたい表現ができていないのだと知った瞬間でした。
TALK.03
これからの目標について
現在は講師や商品のデザイン画なども請け負いながら、自身の目指す表現の追求を重ねています。それには終わりがありません。一つ叶うと、またその先に道がある、その繰り返しだと思います。これからもずっと研鑽と探求を続けながら高みを目指していきたいです。