ウッドカービングで魅せる独自の物語
vol26
中村 俊幸 さん60歳
ウッドビルダー
羽幌町生まれ。20歳の時、友人がいる阿寒湖畔を訪れ、手鏡やアクセサリーなどの木彫りを始める。3つのコタンを巡り、30歳で釧路へ移住。約15年前流木で作品づくりを始める。
TALK.01
どんなお仕事をしていますか?
渓流魚をはじめとした森や海の生き物を、流木で彫るウッドカービングで表現しています。魚はどの川のどの時期のどの魚か分かるように表現することを大切にしていて、自分も釣り好きなので釣り人が理想とする肉付きを意識しています。個展に向け、2月から作品づくりを行っており、流木から生き物が生まれるような表現をしています。見る人によって想像の余地がある作品にしたかったんです。
TALK.02
始めたキッカケを教えてください
生まれは羽幌町で、阿寒湖畔に来たのは20歳の頃です。友人の民芸品店で木彫りを教えてもらい、仕事の魅力に惹かれていきました。外国製の安い木工雑貨が登場するようになり、釣り雑誌にも載っていたフィッシュカービングで自分も仕事として強みを身に付けたいと思いました。最初に作ったのはヤマメ。白木のままで販売して、徐々に色づけ技術も習得していったんです。流木で作品づくりをしようと思ったのは15年前ほど。たまたま手に入った虫食いだらけのイチイの木を活かせないかと考え、産卵の旅を終えたサケを作ったんです。作品を通してストーリーを表現するようになっていきました。
TALK.03
これからの目標を教えてください
流木は茶路や大楽毛の海岸で拾っていますが、中が腐っていたりしているので彫ってみなければ分かりません。しかし流木の均一ではない形が、創作意欲を引き出してくれていると感じています。作りたい物はたくさんあって、将来的には「エゾオオカミ」などをテーマにしたいと思っています。