釧路人 何もないと思っていた故郷に、
都会にないものがあると気付いたんです。

渡部 貴士(わたなべ たかし)さん
vol14

渡部 貴士わたなべ たかし さん45歳

風と土のナベタカ代表

1973年、浜中町生まれ。
釧路工業高等専門学校卒業後、トマム、ニセコ、札幌などで働きながら、趣味のスノーボードとサーフィンを続ける。
またバックパッカーで、アメリカやアジアなどを巡った経験も持つ。
2010年に帰郷。
家業である漁師を継ぎつつ、14年からホッキの消費拡大とワークショップなどを融合させた「春はあげもの」のイベントを開催している。
16年よりカヌーツアーなどを行う事業を開始。

TALK.01

疲弊感漂う故郷で見つけた都会にないもの全て

子供の頃から家業の昆布干しなどを手伝っていて、商業施設もあまりない浜中から離れてみたいと思っていました。高専を卒業してからスノーボードとサーフィンの楽しさを知り、横乗り中心の生活で雪山と海へ通うために働くという毎日でしたね。
転機になったのは母親が体調を崩したため浜中に戻ったこと。何もないと思っていた故郷に、都会にないものがあると気付いたんです。それに同じ漁業の街である隣町は海鮮がおいしいと知られているのに、浜中の知名度は低い。浜中の海鮮の多くが浜中産だと知られていなく築地などに送られてしまうんですよね。新鮮で美味しいものが豊富にあることが地元でも知られていないんです。もったいないと思いましたし、何か発信しなければとも思いました。

TALK.02

風土とフード両方の魅力を伝える

今は漁師として働きながら、夕暮れ時に霧多布湿原をめぐるサンセットカヌーツアーを行っています。カヌーの後は旬の海鮮を味わってもらいます。サンセットツアーは湖面に空が映り込んで幻想的な世界が広がり美しいです。しかしただ「美しい」「おいしい」だけではなく相互作用することまで知って欲しいから、この仕事を始めました。
浜中の風土を知ることで、フード(食べ物)がもっとおいしく感じられる橋渡し、それが自分のすべきことだと思っています。
またきっかけづくりとしてワークショップと組み合わせて始めたイベント「春はあげもの」も地域の協力を得て、ようやく定着してきました。
これからも体験型観光と食を取り入れ、自分らしいライフスタイルを追い続けていきたいと思います。

TALK.03

人生の先輩から若者たちへのメッセージ

ガイドやイベントを行ってきて、地元の漁師仲間にも「何がやりたいのか分かってきた」と声をかけてもらうことがあります。最終的に僕は、漁師の良さも知って欲しいんですよね。浜中でも後継者に困っている例はあるので、取り組みを通して職業にも興味を持ってくれたらと思っています。情報発信を続けていき、町全体の活性化につなげたいですね。

私の新聞活用術

  • 地域の公平な情報が最速で載る新聞が一番

    渡部 貴士さんの好きなモノ・コト・トコロ

    地域の記事は全て目を通しています。面白い取り組みを行っている人がいれば、イベントで繋がれないかなとチェックします。最近はネットで情報収集できる時代ですが、地域の情報伝達が早いのは新聞ですね。

  • 純粋で確実な情報が集まる新聞を読んでいます

    渡部 貴士さんの好きなモノ・コト・トコロ

    SNSも利用しますが、どうしても個人の主観が入っているので公平な情報にはなりませんよね。だからこそ純粋で確実な情報が集まる新聞を読んでいます。

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