釧路人 そのひと皿、
ひと口にも
ストーリーを。

服部大地さん 髙橋宗一郎()さん
vol36

服部大地さん 髙橋宗一郎 さん

ハートンツリー

服部さん▶鶴居村生まれ。家業の「ハートンツリー」で調理を行うも、スローフードを学ぶため2018年より「ほっかいどう未来チャレンジ基金」を活用し、渡伊。レストランの調理等を半年間経験後、19年より宿泊付きイベントをスタート。

髙橋さん▶札幌市生まれ。大学院生としてワインの自然発酵研究を行っており、「ほっかいどう未来チャレンジ基金」を活用し2017年に渡伊。二期生である服部氏と出会い、19年より宿泊付きイベントに関わる。21年には博士号を取得し、道東へ移住。

TALK.01

 およそ2ヶ月に1度、道内生産者が手がける食材をメインに、テーマ性を感じさせるフルコースとワインの宿泊付きイベントを開催する「ハートンツリー」。メイン食材は、消費社会に向け持続可能な一次産業を目指す生産者のものを使用しています。また、ワインはフランス、イタリア、チェコなどの栽培と醸造で添加物を使わないナチュールワインをセッティング。コース全体、ひと皿、ひと口まで、表現したい地元風土を追求する姿勢は、もはや食べるアートです。

TALK.02

 提供するのはイタリアで経験を積んだ2人。食にまつわる学びを深め、「おもしろいことをやろう」と2019年の夏から活動を始めました。コロナ禍がなければ海外ワイナリーで働く予定だったと話すのは髙橋さんです。「国外への渡航が難しくなり、大地と意気投合したこともあって今に至ります。都内ではスタンダードとされる組み合わせをあえて崩すペアリングが近年のスタイルで、ここでも料理との新しいバランスを楽しめる一杯にこだわっています。ワインが持つ土地や人が受け継いできたテロワール(風土の個性)と料理を化学変化させて、ここだから表現できるコースにしたいと思っています」。次回開催は6月11日(土)で、定員10名。標津で乱獲しない漁業を営む「波心会」の食材を使います。

TALK.03

「一般的なフルコースは料理が決まって、次に合わせるワインを選ぶんです。けれど宗一郎とはひと皿で何を表現したいかが先で、料理を選んだりワインを選んだりしています。提供スタンスはデンマークにある世界一にも輝いたレストラン“ノーマ”に近いと感じます」と服部さん。表現者であり続けたいと話す2人が、道東だけの食のエンターテインメントを巻き起こします。

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