第4回極寒の然別湖畔で、室温20℃以下を実践中!
大雪山国立公園にある然別(しかりべつ)湖。そのほとりで自然ガイドを行う(株)北海道ネイチャーセンターは、この冬も事務所の室温設定を20℃以下にしています。チーフマネージャーの石川昇司さんにインタビューしました。
厳寒期も室温20℃以下。
昼間は暖房なしの日も。
然別湖は、標高800m、北海道で最も高い所にある天然湖。湖畔に位置する(株)北海道ネイチャーセンターの事務所では、5〜6年前から冬の室温20℃以下を徹底しています。チーフマネージャーの石川さんによると、「現在の室温設定は17〜18℃。朝晩は外気温がマイナス30℃になる日も珍しくありませんが、陽ざしの入る日中は室内の暖かさを確保できるので、ストーブのスイッチを切ることもあります」とのこと。また、「私も北海道出身なのでよくわかるのですが、冬の北海道では、暖房を効かせてTシャツ1枚で過ごすことが多かった。でも、当社は本州出身者が多く、冬は暖かい服を着て暖房を抑える習慣が身に付いていたため、20℃以下は自然の成り行きでした」と話してくれました。
結氷した湖上に
氷と雪の村が出現
(株)北海道ネイチャーセンターは、1月20日から3月末(予定)まで開かれる「しかりべつ湖コタン」の事務局にもなっています。コタンはアイヌ語で村の意味。結氷した湖上に、氷と雪だけでつくったイグルーやアイスバー、コンサートホール、アイスチャペル、氷上露天風呂などが出現します。「イグルーのなかはマイナス7〜8℃。風がないので意外に暖かく、アイスロッジでは宿泊体験も。湖から切り出した氷柱やダイヤモンドダストの美しさを目の当たりにして、感動したとおっしゃるお客さまが多いです」と石川さん。国内外から訪れる観光客にとって、氷や雪は最高のおもてなしのようです。
近年の暖冬は
地球温暖化の影響?
しかりべつ湖コタンの準備は、湖が凍りはじめる12月初旬にスタートしますが、この冬は結氷が遅く、また、イグルーづくりに欠かせない寒さや雪も少なく、スタッフをハラハラさせました。年があけてようやく湖の結氷や寒さが本格化し、1月20日のコタン開村が実現。「しかりべつ湖コタンは1980年に始まり、今年で29回目になりますが、こんなに暖かい冬は記憶にありません。去年も3月に雨が降りましたし、地球温暖化の影響なのかもしれませんね」と石川さん。1月も下旬に入ったここ何日かは、朝晩の気温がマイナス20℃を下回るなど例年並みの寒さになり、湖上には氷と雪の幻想的な世界が広がっています。来年もその先も、この光景が楽しめるといいですね。