第5回商店街全店で、室温20℃始めました!
オホーツクの内陸部、約3500人が暮らす置戸(おけと)町。22店が加盟する「大通り商店街協同組合」は、暖房季の室温を20℃にする取り組みを全店で展開中です。なぜ実施にいたったのか、会長の森岡眞也さんに聞きました。
流氷減や異常気象
なんとかせねばと思ってました
置戸町は、面積の8割を森林が占め、農林業と木工が盛ん。木の器「オケクラフト」は特産品として人気です。「大通り商店街協同組合」は町の中心街にあり、衣料品店や美容室、飲食店などが500mにわたって続いています。町内のお客のみならず、世界自然遺産・知床へやってきた観光客が立ち寄ることも多く、客層はインターナショナルです。商店街全店で「冬の室温20℃以下」に踏み切った理由を、森岡さんはこう話してくれました。「数年前から、オホーツク海の流氷減少や異常気象は温暖化の影響ではないかと言われるようになり、なんとかせねばと思ってたんです。そんなときに環境省が中心になって進めているウォームビズ20℃プロジェクトを知り、参加することに。1月26日、全店でスタートしました」。
オバマ政権発足も
「みんなで20℃」の追い風に
冬の置戸町は晴れの日が多いものの、気温の低さは北海道屈指。マイナス25℃になることも珍しくありません。そうしたなかで、室温20℃にすることに異論をとなえる店主さんはいなかったのでしょうか。「みんな賛同してくれました。室温設定を21〜22℃にしていた店が多く、下げるのは1〜2度と、無理なく実践できる範囲でしたし、アメリカでは温暖化防止に前向きなオバマ氏が大統領になるなど、環境保全の機運は世界的に高まっています。灯油代を節約できるというメリットもありますしね」と森岡さん。衣料品店を営む森岡さんの場合、接客スペースの室温は18℃、事務所は15℃に設定。お店に立つ奥様は、あたたかく過ごす工夫として、洋服の下にインナーを着るようになったそうです。
室温20℃を
町全体に広げていきたい
室温20℃以下を続けるためには、お客の理解が大切。森岡さんは「各店にポスターを貼るほか、お客さまお一人お一人に説明するようにしています。今後はアンケートも実施して、来年の取り組みに反映させたい」と語ります。「大通り商店街協同組合」は、冬はアイスキャンドルやイルミネーションなどの「光」の演出が、春から秋にかけては「花」の演出がなされます。「大通り商店街協同組合」が始めた花の取り組みは評判となり、ほかの店舗や個人宅にも広がって、いつしか町全体が花で彩られるように。森岡さんは「室温20℃の取り組みも、町全体に広がってくれれば。町の皆さんや観光客に、積極的にアピールしていきたいです」と語ってくれました。