第6回100を超える企業で、室温20℃を展開中!
佐呂間(さろま)町は、人口約6200人、オホーツク海と接するサロマ湖に面した町です。佐呂間町商工会では、100を超える企業が、冬の室温を20℃にする取り組みを展開中。事務局長の佐々木孝三郎さんにお話をうかがいました。
所属企業の6〜7割が
冬の室温20℃に
佐呂間町の特産は、サロマ湖でとれるホタテやカキ、大地の幸ではカボチャが有名。そんな美味づくしの町で、商工業の活性化に取り組んでいるのが、佐呂間町商工会(会員194名)です。この冬には、環境省の温暖化防止キャンペーン「ウォームビズ20℃プロジェクト」に参加。事務局長の佐々木さんは、「我々事務局が、室温20℃に取り組むことを会員に働きかけたのは、食料品店や衣料品店、理美容院など26店だけですが、商工会には製造業や建設業など多様な業種が所属しており、室温20℃に取り組んでいる企業は、ゆうに100を超えています。商工会に所属する企業の6〜7割が、20℃を実践していることになりますね」と説明してくれました。
企業から家庭へ
広がっていく20℃習慣
この時期(2月上旬)の佐呂間町は、一日中氷点下だったり、朝晩はマイナス10℃〜20℃にもなります。「ウォームビズ20℃プロジェクト」参加店では、店頭にポスターを貼るなどして、来店客に室温20℃の取り組みをお知らせしています。「お客さまから暖房温度を上げてほしいと言われたことは、今のところありません。寒い戸外から来店されるので、室温20℃以下でも暖かく感じるのでしょうね」と佐々木さん。お店の人は、寒いと感じたらカーディガンを羽織るなどして対応してくれているそうです。また、商工会には、ガイアナイトへの参加など、家族ぐるみで環境活動に取り組んできた企業が多く、「室温20℃の取り組みも、家庭へ広がっているはず」とのことでした。
恵みの湖・サロマ湖を
温暖化の危機から守るために
サロマ湖は北海道では最も大きく、全国でも琵琶湖、霞ヶ浦に次いで3番目に大きな湖です。ホタテ養殖の発祥地としても知られ、ホタテのほかにも、カキや北海シマエビ、ウニなど、良質な水産資源の宝庫です。「冬には全面結氷した湖の下に網をしかけて、コマイやカレイ、キュウリウオ、チカ、カジカなどの漁が行われます。漁場へはスノーモビルで行きます。ところが温暖化のせいでしょうか、凍る時期が遅れたり、全面結氷しないうちに春になるケースも。暖冬に見舞われた今年も全面結氷が遅れており、つい2〜3日前も、スノーモビルが入れず、漁ができなくて困っているという話を聞きました」と佐々木さん。サロマ湖の環境を守るためにも、室温20℃の取り組みを続けたいと語ってくれました。