北海道らしく地域に根ざしたテーマで環境保護に努める活動を表彰する「北海道新聞エコ大賞」。
3部門計43件の応募があり、「企業・団体の部」「小・中学校の部」で大賞各1件、奨励賞は計7件が選ばれました。自然保護やリサイクル、省エネルギーなど多岐にわたる各受賞者と、その活動内容をご紹介します。
<2014年度北海道新聞エコ大賞 審査委員会>
●審査委員長 / | 小林 三樹 氏(公益財団法人北海道環境財団 理事長) |
●審査委員 / | 大原 昌宏 氏(北海道大学総合博物館 教授) 菅井 貴子 氏(フリーキャスター・気象予報士) ビアンカ・フュルスト氏(環境カウンセラー) 広瀬 兼三(北海道新聞社 常務取締役 経営企画局長) |
アジア3カ国で緑を守り育てる「ナヒヤ基金プロジェクト」が活動の中心。約50人いるサークルのメンバーは、中国とマレーシア、フィリピンで住民とともに植林に取り組んでいます。
基金は2006年に酪農学園大学の教授らが設立。同年から砂漠化が進む中国内モンゴル自治区で活動しています。年に1、2回訪れ、これまでに成長が早いポプラなど約5,600本を植樹。地元小中学生の学資支援のため子どもが育てた苗木を買い取る仕組みも作りました。
サークル名はマレー語で「自発的」と言う意味。同大学の大学院生で、同基金事務局長の小田玲美さんは「草の根の活動が評価された。語学学習にもさらに力を入れ、現地の人との対話を深めたい」と喜んでいます。
さっぽろファイバーリサイクルネットワーク(札幌市)
「ファイバーリサイクル」
衣替えの時期に年2回、不要な衣類やタオルを札幌市内の拠点5カ所で回収し、古着や再生糸として再利用しています。過去8年間の回収量は約29トン。天然繊維の国内自給率はほぼゼロであることを踏まえ、可能な限り国内での繊維循環を目指し、学習会も開催しています。
北海道コカ・コーラボトリング株式会社(札幌市)
官民連携の環境保全モデル「北海道e-水プロジェクト」
2010年から、北海道、北海道環境財団とともに「北海道e-水(イーミズ)プロジェクト」を展開。特定種類の缶コーヒー等の売り上げから一部を拠出し、海や川、湖の環境保全に携わる団体延べ58団体に計約4,000万円を助成してきました。団体間のネットワークづくりにも力を注いでいます。
苫小牧駒沢大学 丸山ゼミ(苫小牧市)
「苫小牧駒沢大学 半端物野菜プロジェクト」
形が悪かったり小さかったりして市場に出せない「半端物野菜」を苫小牧市内の農家から引き取り、地域で格安販売する活動を展開しています。昨年は4回、地域の福祉会館などで売り場を設けました。近くに店のない高齢者ら「買い物難民」対策としても注目されています。
古屋 敏彦さん(札幌市)
「家庭の排水、排熱徹底利用」
家族全員入浴後、庭に埋設した融雪槽に、ポンプを使って湯船の残り湯を流し込み、大半の家庭でただ捨てられている熱エネルギーを有効活用。1回の投入量に相当する雪は3~4日分の湯で解けるといい、10年以上、雪かきの苦労を大幅に緩和できています。
齋藤 伸一郎さん(根室市)
「扇風機を利用したサーキュレーター」
もともと家庭にある扇風機を天井付近に置き、温度27度で電源がオン、24度でオフになるスイッチなどを取り付けた手作りサーキュレーターで、部屋の上部にたまった暖気を床面に向けて送り、暖房を効率化しています。もちろん、夏は取り外して扇風機として使えます。
28人の部員が、夏場の校舎内の温度を下げようと屋上の断熱塗装実験を行ったり、節電を呼び掛けるポスターを掲示したりして、学校全体のエコ活動のけん引を担っています。
科学部のエコ活動は、2009年4月にスタートしました。活動は、廊下に設けられた専用掲示板で校内に周知しています。部内で定期的に学習会を開くなどして、後輩に活動を引き継いできました。
2年前からは、授業中に廊下の照明を半分にする「廊下照明1/2プロジェクト」に取り組んでいます。実行しやすく、効果が分かりやすいことから全校に浸透しています。節電徹底の一方で、掲示物を読むなど必要な時は点灯するよう奨励していて、前部長の鈴木君(3年)は「無理なく正しい方法で取り組むのが長続きの秘訣」と話しています。
えこりーな(札幌市)
「えこりーな」
札幌市内の中学校に通う3年生4人が、エコ活動に取り組む企業・団体などを取材し、月2回くらいのペースでネット上に内容をアップ。これまで計77本の動画を公開してきました。地域の祭りで「エコゲーム」を披露するなど自分たちによる実践にも力を入れています。
家庭保育園 トムテのいえ(十勝管内芽室町)
「ゴミを減らそう!脱使い捨て!」
インフルエンザなど感染症予防のため使い捨て商品の利用が増えていることに疑問を持ち、うがいコップは毎回水洗い、手拭きはガーゼティッシュを使い、その都度洗濯しています。園児たちに使い捨てを習慣化させず、楽しく感染予防をするよう努めています。