食で人と人とのつながりを育む

生活クラブは、食の安全に取り組む生活協同組合。活動を続ける組合員の皆さんと、低温殺菌牛乳を生産する酪農家にお話を伺いました。

生産者、つくり方が見える生活クラブの「消費材」

photo0 ─皆さんは、生活クラブをどのように利用されていますか?
一同私たちは、ほぼ100%(笑)日常の買い物は生活クラブで賄っています。
伊澤ほとんどスーパーには行かないですね。
片桐おむつなど、たまにネットスーパーでまとめ買いすることがありますが、食材はほぼ生活クラブです。
鈴木月に1回翌月分を注文し、毎週届くシステムで、個人で注文する戸別配達と班の共同購入があり、私は子育て中のお母さん8人と班で楽しく活動しています。
─生活クラブを利用している理由はどのようなものでしょうか?
伊澤スーパーで、いちいちパッケージの成分表示を見て選ぶのが面倒。生活クラブの消費材は、品質を信頼して迷わず買えるのがいいですね。
鈴木一つ一つの消費材はもちろん、生活クラブの活動や環境に対する考え方などに共感します。
片桐牛乳ひとつとっても、エサまでちゃんとこだわっている。その工程を知っていて買えるという安心感が大きいですね。

低温殺菌牛乳は健康な牛だからできる

photo0 ─生活クラブの牛乳は、組合員の声が反映された低温殺菌牛乳。愛飲している理由をお聞かせください。
伊澤さらっとしていて、飲みやすくおいしいですね。飲み比べると、味の違いがはっきりわかると思います。
片桐甘いですよね。雑味がないから牛乳自体の甘さを感じると聞きました。うちの子は、1日1本のペースで飲んでいます。
鈴木良く売られている一般的な牛乳は、130度の高温で瞬間的に殺菌するのに対して、低温殺菌牛乳は65度で30分間殺菌したもの。だから生の牛乳に近い味と言われています。熱の影響をあまり受けていないので、ほかの牛乳と比べるとタンパク質がいい状態に保たれているそうです。普通の牛乳との違いは殺菌温度だけではなく、低温殺菌できる生乳は菌の数が少ないことが条件なので、牛の健康管理を厳しく行っています。
─生産者の方は、どのような点に留意して生産されていますか?
前田低温殺菌牛乳は、乳質が最も大切で、牛の健康、特に乳房炎にならないように神経を使っています。与えるエサは、遺伝子組み換えのない(NON-GM)飼料と良質の粗飼料(草)。良質の草を食べさせるために、草地改良に取り組んでいます。
片桐以前、牧場見学に行ったとき、牧草がすごくいい香りがしていました。
前田いい牧草は、香ばしい良い香りがします。それが牛の健康、おいしい牛乳につながっていくのです。

子どもたちの先の時代へその活動は未来へ続く

photo0 ─食の安全を大切にする生活クラブについて、皆さんの思いをお聞かせください。
鈴木生活クラブの消費材は、素性が確かということ。誰が作り、どんなエサをあげて、どんな土づくりをしてるのかが分かるから安心・安全。自主基準もすごく厳しいんです。
片桐生活クラブは、私たち組合員が自分たちで考え、意見をまとめてつくりあげています。だからこそ企業の利潤追求とは別のカタチで続いてきたのです。
伊澤子育てする中で、子育て世代との情報交換はもちろん、さまざまな世代の組合員たちとのつながりが広がり、とても楽しいです。
─今後の生活クラブ、食の安全などについて、皆さんの未来計画をお聞かせください。
伊澤生活クラブは、ずっと変わらずに続いてほしいですね。子どもたちには、なるべく伝統的な味を伝えていきたいです。
鈴木親としては、価格の安さなどに惑わされず、物を選ぶときの視点をしっかり持ちたいと思います。
片桐遺伝子組み換えや放射能、TPPなどは、生活クラブを始めてからきちんと考えるようになりました。この先、安全な物がどれだけ手に入るのか。自分の子どもに、さらにその子どもにも… 未来に生活クラブが続いてほしいと思います。
前田安心・安全の物をつくるのは大変なこと。でも、長い目で見たら、それは皆さんの健康につながります。私たちもできる限り努力をして、いつまでもおいしい牛乳を届けていきたいと思います。

  • EDIT:北海道新聞社広告局/nu
  • TEXT:高崎 克秋
  • PHOTO:川村 勲
  • 記事公開日:2014年9月24日 朝刊 掲載

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