中小機構様に初めて支援を依頼したのは3年前。初めは給与体系の見直し、昨年は物流システムの見直し、今年は戦略的CIO(※)育成支援事業―基幹システムの構築について、それぞれ専門家の方を派遣していただきました。
給与体系は、従来の年功序列の制度を改め、年齢を問わず能力に応じて評価する査定システムを導入。物流については、従来は運用方法を検証するための指標が欠如していたため、その管理・運営のための基礎システムを改善。基幹システムについては、時代の流れに合致しなくなっていた既存のシステムの最適化を図りました。
派遣していただいた専門家の皆さんは、プロジェクトのメンバーが自発的に考えて進めるような流れを作ってくださいました。以前は時間を費やしていた作業も効率化され、その分クリエーティブな時間に充てるようになる。これまでの支援で、社員は問題意識をもって考えるということを教えてもらったのだと思います。
弊社は、昔から北海道の皆さんにお世話になってきた企業。安心・安全な道産品を使って、北海道の良さを全国に、世界に打ち出していきたいですね。納得できる商品を作って、社会に役立つことが、私たちの使命だと思っています。
※CIO: Chief Information Officerの略。自社の情報化戦略を策定、実行する責任者。
弊社は昭和26年、稚内で創業。62年間にわたり、ロープや網などの漁業用資材を主に製造してきました。
中小機構様には、平成16年からの3年間専門家継続派遣事業による支援と中小企業大学校旭川校での研修により、作業環境の維持・改善を促す「5S」活動を社員に学ばせ、整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)の5Sを社員の意識に浸透させました。さらに平成19 年にはISOの認証を取得。お客さまには安心感と信頼感を持っていただき、取引に好影響を及ぼしています。
競合する企業は多々ありますが、他社にはないものを、そして得意分野をつくっていこうと常々考えています。例えば、弊社ではLEDで光るロープ「ヒカロープ」を導入、道内唯一の販売店となりました。漁業のみならず、登山道や高速道路など幅広い展開を期待しています。
また、北海シマエビ漁用に開発した「天空篭」は、従来型から漁獲量を増やす構造に改良の上、漁獲量を制限する処理を施し特許を取得しました。今後も新製品をどんどん開発していこうと思っています。
現在の網とロープをつくる作業は、ほとんどが手作業。将来的にそれを機械化できないかと真剣に考えています。併せて、植樹で森を増やし、豊かな漁場を取り戻す活動にも力を入れたい。今後も支援を利用させていただきながら、次世代のために、北海道の漁業のために、次々と挑戦していきますよ。