子どもたちが環境や地球の未来について考える機会を提供する、北海道エコ・アクションの「環境出前授業」。
2月15日(土)に行われた授業は、環境に配慮した設備を持つ円山動物園の飼育展示課長と全国74カ所にある三井物産の森に携わる方々を講師に迎え、「動物」と「森」をテーマとして行われました。
円山動物園で暮らす動物は現在184種。アジアゾーンで展示している木登りが得意なレッサーパンダは、冷涼な高山に住み暑い夏は苦手、マレーバクは川のある熱帯雨林に住み水中で排せつする習性があります。円山動物園ではそれぞれの動物たちの生態に合った動物舎づくりを行っているとともに、環境配慮型の冷暖房システムを導入するなどの工夫を凝らしています。世界の野生生物は人為的駆逐や環境破壊などにより、1年間に4万種も絶滅していると聞いて子どもたちはびっくり。野生動物が次代をつないでいけるよう地球環境を守ることの大切さをあらためて考える機会にもなったようです。
世界の先進国の中で第3位の森林率を誇る日本。森は木材や燃料などに形を変えて私たちの暮らしを支えてくれるほか、水や食糧をもたらして生命を育んでくれています。国内の森は約4割が人工林で、手入れをしないと枝が伸び過ぎて太陽の光が届かず、動物たちの生活の場となる下草も生えない荒れた森になってしまいます。森を守るためには、木を植えて、育て、伐って使いまた植えるという林業のサイクルが不可欠。実際に森で作業する時の服装を見たり、模型のチェーンソーで木の伐り方を教わりながら、いのちの森を守り育てる林業の大切さを実感しました。
アジア各地の珍しい動物たちに会える「わくわくアジアゾーン」。ここは環境に配慮した設備を取り入れています。マレーバクが暮らす熱帯雨林館では、木質バイオマスを使ったペレットボイラーによる温水暖房を導入しています。一方、レッサーパンダが暮らす「高山館」では積雪を貯蔵して冷房として活用。暑さに弱いレッサーパンダも元気に夏を過ごせます。さらに動物の排せつ物や食べ残しを発酵させて堆肥に変える設備も。普段見ることのできない設備を見学した子どもたちは、環境を守ることの大切さをあらためて実感したようです。